引退の記者会見を開いたフィギュアスケートの浅田真央さん(26)に対し、精神が強い、誠実で大人だ、などと感嘆の声がネット上に挙がっている。というのも会見で「トリプルアクセルに声をかけてください」「台湾の男性と結婚は可能か?」などといった「トンデモ質問」が記者から飛び出しても、考えながらにこやかに一つ一つの質問に回答したからだ。「ご結婚の予定はありますか?」「まともな質問のできる記者はいないのか?」―――2017年4月12日の会見放送を受け、ネット上で怒りの声が挙がった。浅田さんは自分のスケート人生に悔いはないし、やり切ったから次の人生はスケート以外を選びたいと言っているのに、NHKの記者の一人は、「もしも一度だけ過去に戻れたとしたら、いつの自分に戻ってどんな言葉をかけたいか?」と質問した。浅田さんは「あぁ、難しい」と悩んだ後に、「でも、本当に戻ることはないと思うので、今パッと答えは出てきません」と答えた。フリーランスの男性は、「ご結婚の予定はありますか?」と質問し、「ないです」と答えた。台湾の女性記者の、「(卓球日本代表の)愛ちゃんのように、台湾人との結婚は可能ですか?」には、「良い方がいたら(愛ちゃんから)紹介してもらいたい。行ってみたい国が台湾だから、案内してもらいます」と答えた。「しんぶん赤旗」の記者から、「キムヨナ選手への思いを・・・」と質問されると、共にジュニア、シニアの試合に出場し、良い刺激を与え合いながらスケート界を盛り上げてきたと思っていると語った。ネットで特に話題に上ったのは、NHKの高井正智アナウンサーからの質問だった。真央さんと聞くと連想する、難易度の極めて高い「トリプルアクセル」について、「トリプルアクセルに声をかけられるとしたら、どんな言葉をかけたいですか?」と聞いたのだ。浅田さんは、「トリプルアクセルに声をかけるんですよね?どうしよう??」と悩んだ後、「なんでもっと簡単に飛ばせてくれないの?っていう感じです」と説明した。こうしたやり取りに対しツイッターや掲示板に、「トリプルアクセルて技だろ?貴乃花に上手投げに言いたいことは?なんて聴くか?」「意味がわかりません、とか言って欲しかったがw」などと書き込まれることになった。記者会見の司会者も困惑したのか、「だれか締めてくださいよ。質問に自信のある方」と呼び掛けるシーンもあった。坂上忍、小倉智昭といった司会者も高評価この会見で評価を上げることになったのは浅田さん自身だった。4月12日放送のフジテレビ系「バイキング」では会見を生放送し、司会の坂上忍さんは、「会見って大変だわ。トリプルアクセルに声かけろってさ、かけようがないしそんなの。(浅田さんは)大人だよ」と褒めた。13日放送のフジテレビ系「とくダネ!」でもキャスターの小倉智昭さんがNHKの高井アナの質問について、「おい!何を聞くんだ!?(と思い見ていたが、浅田さんは)ニコニコしながら答えてましたね」とその対応ぶりを評価していた。ネット上でも、「真央ちゃん。言い訳しない、人のせいにしない、過去振り返らない、タラレバが全然ない」「現実的で前進あるのみな人柄がとても出てる。強い人だなぁ、大好き!すばらしい!」「きちんと考えながら言葉を選んで答えている真央ちゃん26歳かよ...」「『過去に戻る事はないので』とキッパリ言う、浅田真央ちゃんカッコイイ!お疲れ様でした」などといったことがツイッターに書き込まれている。
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