2024年 4月 19日 (金)

「レッドデータブック」絶滅危惧を救えるか
クローン発生率を劇的改善の研究成果

   近畿大学や京都大学の研究グループは、3種類の化合物を添加することで体細胞クローンマウスが誕生する割合を劇的に改善する新手法を世界で初めて発見したと発表した。これまでの技術では発生率は1%未満だったが、最大25%を確認したという。

    クローン技術による絶滅危惧動物の保全や、医療研究目的の遺伝子組換え動物の効率的な生産につなげられるという。発見に関する論文が2017年4月15日、英学術誌「バイオロジーオープン」のオンライン版に掲載された。

  • 新手法によって誕生したクローンマウス(近大提供)
    新手法によって誕生したクローンマウス(近大提供)
  • 新手法によって誕生したクローンマウス(近大提供)

近大と京大などのグループ 新手法を世界で初めて発見

   体細胞クローン技術は、さまざまな分野での有効利用が期待されているが、これまでの技術では発生率(クローン効率)が1%未満で、その活用が難しい状況が続いている。

   これまで低い成功率を向上させる試みは世界中で行われ、マウスクローン胚を核移植直後から「ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤」を添加した培地で培養するとクローン効率が5%程度に上昇することが示され、また最近では、ビタミンCを培地中に添加することでもマウスクローン効率が最大5%程度まで上昇することが報告されていた。

   しかし、これらの「化合物」を同時に添加することによる顕著な効果は確認されていなかった。

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