佐藤琢磨が制覇した「インディ500」って何? モナコ、ルマンに並ぶ世界3大レース

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   米国で毎年開催される自動車レース「インディ500」で現地時間2017年5月29日、日本の佐藤琢磨(40)が優勝したが、多くの日本人にはいまいちピンと来なかったようだ。

   一体どれだけの快挙なのか。モータースポーツのある往年のファンは「アメリカンドリームの体現ですよ。注目度で言えば米国ではNFLのスーパーボウルに匹敵するのでは」と語る。

  • インディ500で優勝し、伝統のミルク一気飲みをする佐藤琢磨(画像はインディ500公式サイトから)
    インディ500で優勝し、伝統のミルク一気飲みをする佐藤琢磨(画像はインディ500公式サイトから)

「日本では余り大きな話題ならなくて残念...」

   佐藤琢磨はF1レーサーとして7シーズン戦い、2010年から「インディカー・シリーズ」というモータースポーツに参戦。今回、その大会のひとつ「インディ500」で日本人として初優勝を果たした。

   だが、その報道を受けて日本のツイッターでは「凄いことらしい」「有名なのか?」「モータースポーツ全然わからない」といった声が散見されている。一方でこの大会をよく知るユーザーからは「とても凄いことなんだけど、日本では余り大きな話題ならなくて残念...」との声も漏れている。

   インディ500は米インディアナ州の専用コース「インディアナポリス・モーター・スピードウェイ」で毎年行われるモータースポーツのレースで、F1のモナコGP、自動車のル・マン24時間レースと並んで「世界3大レース」の1つに数えられる。優勝賞金は2億円超。

   コース形状は直線が多いオーバルコース。スピードが出やすく、最高時速は380キロメートル以上に達するとされ、ブレーキもあまり使わない。「500」は走行距離の500マイル(約805キロメートル)をさし、これを約3時間かけて走り続ける。10台ほどのマシンが集団となり、接触ギリギリの距離感で猛スピードで並んで疾走することも珍しくなく、見る側を飽きさせない。

   最初に行われたのは1911年で100年以上の歴史を誇る。2度の大戦期以外はインディアナの同じ地で毎年開催され続けており、スタンドは優に30万人は収容できるほど巨大。それが熱狂的なファンで埋め尽くされる。参考までに、欧州で最大の収容規模を持つサッカースタジアムが約9万9000人、NFL最大規模のスタジアムが約11万人。スタジアム規模だけで言えばインディ500は世界最大級だと言える。

「優勝したその日から全米、全世界に名前が知れ渡る」

   「インディ500での優勝は、『アメリカンドリームの体現』のようなものです。優勝したその日から全米、全世界に名前が知れ渡ります。米国での注目度は、(米国4大スポーツに数えられる)NFLのスーパーボウル、NBAのファイナルにも匹敵するのではないでしょうか」。モータースポーツファン歴25年というある会社員男性はJ-CASTニュースの取材にそう話す。

   一方で「日本ではその栄誉があまり知られていません」と男性はもどかしさを感じている。

   なぜ日本での注目度が低いのか。男性は、スポーツに対する日本人の意識が影響していると考えている。日本では古くから肉体や技術、さらには心を高みにあげる「武道」の精神が現代までスポーツの根本にあると推測し、「エンジンを使って戦うモータースポーツは、日本では『スポーツ』とは切り離されて捉えられる節があるのではないでしょうか。確かに道具が大きな比重を占めるという点は否定できません」。

   また、1776年の独立記念日から考えると「米国は国自体の歴史が240年ほど。その中で100年以上の歴史があるインディ500は、米国史で見てもかなりの部分を占め、歴史を形作っています。そうして積み上げてきたものが、こと米国では重んじられているのではないでしょうか」とも考える。

   それでも、「佐藤琢磨選手が優勝したことで、日本でのインディ500、さらにはモータースポーツ界全体にとって、大きな転換点を迎えるかもしれません。本当に希望を与えてくれる優勝でした」と感慨深く話していた。

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