2019年 12月 15日 (日)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
「総理の意向」の正体 加計学園めぐる文科省の「言い訳」

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   加計学園問題について、筆者はいろいろなところで意見を述べている(たとえば、「これでいいのか『報道特集』! 加計問題であまりに偏っていたその『中身』」<2017年6月5日、現代ビジネス> )。

   この話は、50年以上も新設がなかった獣医学部に新規参入を認めるという規制緩和である。ところが、天下り斡旋を行い、その結果辞任した前川喜平・前文科事務次官が記者会見してから、文科省が許認可を盾にして規制緩和に反対してきたこと、許認可を背景として天下りをやってきたこと、さらには一部マスコミは前川氏という一方当事者のみの情報を垂れ流し、公開情報に基づき地道な検証を怠るというマスコミ偏向問題も一気に明るみに出た。

  • 「総理の意向」とは…?
    「総理の意向」とは…?

特区ワーキンググループの議論の中身

   筆者にとっては、一粒で三度美味しいネタである。規制緩和は、役人時代に公取委へ出向し経産省などをしばいたし、天下り問題は官邸において天下り斡旋禁止法案を立案したし、マスコミ対策は財務省役人時代にそれぞれ経験済みである。筆者が、前川氏の言動で間違いを見つけるたびに、安倍政権擁護と言われるが、規制緩和、天下り、マスコミのどの観点からも意見が書ける筆者にとって簡易な案件なので、批判しているだけだ。

   多くのマスコミは、前川記者会見、文科省文書だけを報じている。それに、加計学園理事長が安倍首相のお友達、という点を強調してストーリーを作っている。

   しかし、全体の構図を理解するには、それらの資料は不十分というか、不適切である。この問題は特区法に基づく手続きなので、その資料を見なければいけない。それもたった三つでいい。

(1)2015年6月8日国家戦略特区ワーキンググループ議事録
(2)2015年6月30日閣議決定(文科省部分)
(3)2016年9月16日国家戦略特区ワーキンググループ議事録

   特に、(1)と(3)をみれば、「内閣府・特区有識者委員vs.文科省(農水省)」による規制緩和議論は、前者の規制緩和推進派の完勝である。野球で例えれば、前者の10対0、5回コールド勝ちである。

   筆者も2000年のはじめのころ、規制緩和を進める公取委として、規制緩和反対の経産省とこうした規制緩和議論をしたが、今の文科省はその当時の経産省よりもはるかにレベルが低く、内閣府・特区有識者委員にとって赤子をひねるようだっただろう。

   (2)の閣議決定で要求されている需要見通しについて、許認可をもつ文科省に挙証責任があるが、まったくそれを果たせていない。しかも、(2)の閣議決定では、2015年度内(2016年3月までに)に検討するという期限が切られているが、それすら文科省は守れていない。これでは、コールド負けである。

   マスコミは、文科省文書が本物かどうかに焦点を当てている。筆者の感覚では、おそらく本物であると思うが、そうであっても、それらが作成されたのは2016年秋である。とっくに、文科省への宿題の期限(2016年3月)の後、しかも、(3)の2016年9月の後でもある。

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