2024年 4月 19日 (金)

韓国政府が慰安婦問題で「発言撤回要求」 本当に「売春婦」発言はあったのか

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   日本の篠塚隆・駐アトランタ総領事の発言が、日韓の外交問題の様相を呈している。アトランタ郊外のブルックヘブン市に慰安婦像設置の動きがあることに関連したとして、地元紙に掲載された地元紙インタビュー記事の中で「カネをもらった売春婦(paid prostitutes)」という表現が登場したことに韓国側が反発。韓国外務省が記者会見の場で撤回を求める事態に発展している。

   ただし、インタビュー記事が掲載された地元紙は続報で、この「カネをもらっていた売春婦」という表現は、篠原氏の発言からの「直接的な引用ではない」と説明。日本政府も発言を否定している。

  • 問題となった地元紙のインタビュー記事。「カネをもらった売春婦(paid prostitutes)」という表現は、記事の「地の文」にしか登場しない
    問題となった地元紙のインタビュー記事。「カネをもらった売春婦(paid prostitutes)」という表現は、記事の「地の文」にしか登場しない
  • 問題となった地元紙のインタビュー記事。「カネをもらった売春婦(paid prostitutes)」という表現は、記事の「地の文」にしか登場しない

慰安婦像は「日本人に対する憎しみと恨みのシンボル」

   篠塚氏のインタビュー記事は、アトランタ郊外の地方紙「リポーター・ニューズペーパーズ」が2017年6月23日(米東部時間)にウェブサイトに掲載した。問題となった表現は、

「篠塚隆総領事は総領事館で行われたインタビューの中で、第2次大戦中、軍が女性を性的に奴隷にした『証拠が存在しない』(no evidence)と述べた。彼はむしろ、女性はカネをもらった売春婦(paid prostitutes)だったと述べた」
    「彼は、アジアの文化では、女性が家族を財政的に支援するために売春婦になることもあったと述べた」

といった文章の中で登場した。「売春婦」という表現が登場したのは記事の「地の文」のみで、発言の引用部分には登場しない。慰安婦像については、篠原氏は

「日本人に対する憎しみと恨みのシンボルだ」

などと批判した。

韓国外務省「被害者の心を改めて深く傷つける極めて不適切な発言」

   この発言を、6月27日になって中央日報などの韓国メディアが「妄言」などと批判。聯合ニュースなど韓国メディアによると、韓国外務省の趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)報道官は6月29日の記者会見で、

「言葉にできないほどの苦痛を強いられた被害者の心を改めて深く傷つける極めて不適切な発言で、遺憾に思う」

と発言を非難し、日本側に発言の撤回と再発防止を求めたことを明らかにした。

「売春婦」は「発言を分かりやすく言い換えたもの」

   ただ、韓国側が批判している「売春婦」発言自体が「なかった」可能性もある。篠塚氏のインタビューを掲載した地元紙は6月27日(米東部時間)に、発言を韓国のテレビ局などが批判していることを紹介する続報をウェブサイトに掲載。その中で、問題になった表現について

「批判の多くが、『カネをもらった売春婦』という単語に焦点を当てているが、これはリポーター(編注:インタビューした地元紙の名前)が篠塚氏の発言を分かりやすく言い換えたもの(paraphrase)であって、直接的な引用(direct quote)ではない」

と報じている。ただ、同紙は

「いずれにしても、論争は『従軍慰安婦』システムを全否定したことに関するものだ」

とも主張している。

   菅義偉官房長官も6月30日午前の記者会見で、

「(篠塚氏は)6月16日に現地紙のインタビューを受けた際に『報酬を受けた娼婦』とか『娼婦』といった表現は用いていない。また、同総領事は我が国政府の立場に沿って、慰安婦を性奴隷と称することは不適切であるという説明を行ったが、これを受けて現地紙が独自に『報酬を受けた娼婦』と報じたものである、というのが事実」
    「本件にかかる事実関係と我が国の立場については、韓国には説明済み」

などと韓国側に反論している。

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