2024年 4月 26日 (金)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 
加計学園問題は「絶好の教材」 問われるメディア・リテラシー

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前川発言だけの情報だけでは全体が見えにくい

   これらの国会証言があったにもかかわらず、一部メディアでは、加戸前愛媛県知事らの意見はまたもや無視されている(産経ネット版記事「『前川証言ありき』で報道する朝日新聞 加戸守行前愛媛県知事らの発言をまたもや無視」7月27日配信)。

   加計学園問題を理解するためには、一定の基礎知識も必要になる。しばしば出てくるのが、「石破4条件」という言葉だ(zakzak・夕刊フジ「『石破4条件』の真相はこれだ! 学部新設認めない『告示』の正当性示せなかった文科省」7月22日)。この経緯もわかると、メディア報道の裏側も見えてくる。

   それでも、今治市(加計学園)が選ばれたのは、えこひいきという声もある。しかし、それではライバルの京都(京産大)の意向もあればいい。もし選定プロセスに問題があれば、ライバルが文句をいうはずであるが、単に準備不足であったといっている(産経ネット版記事「京産大の獣医学部断念 『大学はすでに方向転換していたようだ』府知事が見解」7月15日)。

   また、加計学園問題では、獣医師会の考え方もポイントだ。これは、獣医師会会長の証言がいい(テレビ西日本ネット版「加計学園問題の真相は 福岡のキーマン 獣医師会・蔵内会長が新たな証言」7月20日)。いずれにしても、これらの当事者の報道が少ないので、前川発言だけの情報だけでは全体が見えにくい。

   最後に、前川氏の規制改革に対する考え方も確認しておくほうがいい。その絶好の資料は、内閣府サイトにある2005年の規制改革会議の議事録だ。賛否両論だろうが、これも面白い。

   いずれにしても、加計学園問題はメディア・リテラシーを考える上では、絶好の教材だ。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「大手新聞・テレビが報道できない『官僚』の真実」(SB新書)など。


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