2019年 2月 18日 (月)

それでも消えない相談役・顧問 「開示」圧力も何のその

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   東京証券取引所が、上場企業に対して「相談役」「顧問」の役割を開示する制度を新設した。具体的には、2018年から東証に提出する報告書で相談役・顧問の氏名や業務内容、報酬の有無などの開示を促す。会長や社長が退任後に相談役などとの肩書で残って「院政」を敷くケースもあり、企業統治の透明性の点で疑問視されていた。開示が進めば株主らへの説明責任が強化されることになる。

   政府が17年6月にまとめた成長戦略「未来投資戦略2017」で、「価値の最大化を後押しする仕組み」という大きな柱の中の「『稼ぐ力』の強化」と題した項目に、相談役・顧問の透明性向上が盛り込まれた。この中で、「企業経営に不透明な影響を及ぼしている場合があり、適正なガバナンス機能を阻害しているのではないかとの懸念が存在する」と指摘。夏をめどに、開示拡充の制度を設けるよう東証に指示していた。つまり、アベノミクス第3の矢である成長戦略の中に位置付けられているということだ。

  • 役割の開示が進めば透明性の向上につながるが…(画像はイメージです)
    役割の開示が進めば透明性の向上につながるが…(画像はイメージです)

記載欄を新設し、東証や企業のホームページで公開

   俗にいう「成長戦略」は、2016年までは正式名「日本再興戦略」だったが、策定する会議が2016年秋、それまでの産業競争力会議に未来投資に向けた官民対話を統合した「未来投資会議」(議長・安倍晋三首相)に衣替えされ、まとめる文書の名称も2017年から「未来投資戦略」になった。次々に目新しいネーミングで「やってる感」を演出する安倍政権の手法の一つと言える。

   今回、相談役などについて未来投資会議の議論で念頭にあったのは、歴代トップが相談役などとして経営に影響力を行使していた東芝の会計不祥事。トップ経験者が社内に残っていると、どうしても過去に縛られ、大きな方針転換、経営戦略の大胆な転換などが実行しにくいといわれる悪しき現状の打破を狙ったものだ。

   東証が新設した制度では、全上場企業が提出を義務付けられている「コーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する報告書」に相談役・顧問の記載欄を新設し、東証や企業のホームページで公開することになる。項目は氏名や業務内容に加え、常勤・非常勤といった勤務形態、報酬など幅広い。報酬については、その有無を明らかにしたうえで、総額や個人別の支給額を記述できるようにする。

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