2024年 4月 26日 (金)

林修「キラキラネームと成績に相関性」 米学者は親の教育・経済水準も指摘

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娘に「ヘヴン」「デスティニー」と名付ける親

   米国でも、名前と本人の教育レベル、さらには名付け親の教育や所得の水準が膨大なデータに基づいて論じられている。経済学者でシカゴ大学のスティーブン・レヴィット教授らの著書「ヤバい経済学」(東洋経済新報社、2006年刊)が詳述している。

   一例に、裁判所に連れてこられた素行不良の15歳少女を挙げた。名前は「テンプトレス(Temptress)」という。意味は「痴女」だ。なぜ母親はこんな名前を付けたのか。実はテレビで見て気に入った女優からとったと言うが、その女性の名は「テンペスト(Tempestt)」だった。間違えたうえ、「痴女」を改名しようともしない。そもそも痴女がどんな意味かさえ知らない母親だったという。

   これは極端かもしれない。そこで同書では、米カリフォルニア州で生まれた子どもの膨大な量の出生データと、子どもたちの母親の教育や所得水準をたどった。調査を重ね、「赤ん坊の名前と親の社会・経済的地位の相関」を見いだした。

   「親の教育水準が低い白人の女の子の名前」トップ5は、首位から順に、エンジェル(Angel)、ヘヴン(Heaven)、ミスティ(Misty)、デスティニー(Destiny)、ブレンダ(Brenda)となった。エンジェル、ヘヴン、デスティニーは、同書で紹介された「白人中所得層」「親の教育水準が高い白人」のほか、1980年と2000年の「白人の女の子に多い名前トップ10」にはない。それぞれ「天使」「天国」「運命」を意味する名前は、米国版「キラキラネーム」かもしれない。同様に「男の子の名前」トップ5は、リッキー(Ricky)、ジョーイ(Joey)、ジェシー(Jessie)、ジミー(Jimmy)、ビリー(Billy)の順だった。

   特徴として、同じ読み方なのにつづりが違うパターンがある。例えば女の子の名前「デスティニー」は「Destiny」という正しいつづりのほか、「Destinee」という書き方の名前が20位中9位に入っている。また「ジャスミン」は本来「Jasmine」と書くが、最も多かったのは「Jazmine」(11位)だった。男の子も、マイケル(Michael)が「Micheal」に、タイラー(Tyler)が「Tylor」としてトップ20に入っていた。

   同書では「名前で何かが違ってくるかというと、そんなことはぜんぜんない」としている。一方でデータからは、その子本人ではなく名付けた親の人物像、社会的な立ち位置が見えたのも事実だ。

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