「自然派」ママが子の予防接種に難色 専門家が説いた「絶対受けるべき理由」

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【すくすく子育て】(Eテレ)2017年10月14日放送
「教えて!予防接種の正しい知識」

   生後2か月からスタートする「予防接種」。種類が多く、何度も病院に足を運ぶため、仕事を休む時も。注射の恐怖や痛みで子供は大泣きするし、正直受けるのがおっくうに思ってしまう人もいるのでは。

   番組では、予防接種の必要性や副反応についての親の疑問に、新潟大学医学部小児科の齋藤昭彦教授と、国立国際医療研究センター看護師の堀成美氏が答えた。

「子どもの死に立ち会ってきた医師の言うことを信じて」

   東京都の島崎さんは、凛ちゃん(7歳)、紫(ゆかり)ちゃん(3歳)、慈(いつく)くん(1歳3か月)の3人のママだ。

島崎さん「ありがたいことにみんな健康的で、予防接種を受けてはいるが、効果が出ているのかイマイチ実感がない。予防接種を受けたから病気になっていないのか、今後病気になった時に軽度で済むのか疑問」

   戸惑う理由のひとつが、生まれた年によって予防接種の内容が変わっていることだ。

   凛ちゃんの時は公費で負担される定期接種が「3種混合」「BCG」「MR」「ポリオ(生)」「日本脳炎」だったが、慈くんの時は「4種混合」「BCG」「MR」「日本脳炎」「ヒブ」「肺炎球菌」「B型肝炎」「水痘(水ぼうそう)」に増え、スケジュールも大きく変わった。新しいワクチンが大丈夫なものなのか心配だという。

齋藤氏「海外で作られたワクチンが輸入されたり、2013年から『予防接種法』改正で接種できなかったものができるようになったりと、この数年で非常に大きく変わった。予防接種によってこれまで色々な病気が予防でき、世界からなくなった病気もある。予防接種しないとまた流行するおそれもあり、しっかり接種してほしい」

   子どもの体は、生後すぐは母からもらった抗体で病気から守られている。この抗体は徐々に減り、1歳頃にはほぼなくなる。

   子ども自身も、色々な細菌やウイルスに出会い、体内で抗体が作られる。最も抗体が少なくなる生後6か月以降は感染症にかかりやすくなるので、低月齢のうちから病気予防の準備が必要だ。

堀氏「医師たちは、入院してきて死にそうな赤ちゃんや、死んでしまって泣いている家族を見てきた。病気にならないよう守りたいと考えている医師がたくさんいる。専門の先生が大事というものは大事だと思って」

「リスク背負ってまで受けるの?」否定派の疑問

   埼玉県の日野さんは、暁喜(あき)くん(2歳3か月)の予防接種について、父と母で意見が分かれている。

   父は、保育園に通っていて感染が心配なので受けさせたいが、「自然派」の母は「正直複雑」という。

   理由は、以前ポリオ予防の生ワクチンでまひが残ったというニュースを見て、副反応が心配になったから。実際に暁喜くんが4種混合の予防接種後に熱を出したこともあり、「リスクを背負ってまで受けるのか」と悩んでいるようだ。

齋藤氏「まず、ポリオは生ではなく不活化ワクチンに変わったので心配はいらない。副反応は起こりうるが、頻度は極めて低い。接種した場所がはれたり、赤くなったり、痛くなったりする場合もあるが、自然によくなるので心配しないで」

   まれに、ワクチンの成分に反応した強いアレルギー症状「アナフィラキシー」が起こる場合もある。通常接種してから30分以内、遅くとも4時間以内に起こるといわれている。接種後15~30分は病院内で様子を見よう。

   ほかに重篤な副反応として、おたふくかぜワクチンは1000~1万人に一人「無菌性髄膜炎」がみられる。接種後3週間以内に発熱、おう吐、不機嫌が続いたらすぐに受診を。

   ロタウイルスワクチンは、5万~10万接種に一回、「腸重積」を起こす可能性がある。最初の接種後7日以内に、不機嫌、おう吐、血便がみられたら受診しよう。

   ワクチンによって起こりやすい副反応のデータは世界中で蓄積されているので、ほとんどの場合、治療が可能だ。

齋藤氏「おたふくかぜによって、2年間で300人難聴の患者が出たと報道があった。予防接種を受けていれば起こらないこと。後遺症をできるだけなくす手段が予防接種なので、しっかり使っていただきたい」

「定期接種」と「任意接種」の違いとは

   スケジュールが立て込んでいて負担に感じている親も少なくないだろう。

齋藤氏「このスケジュールには理由がある。例えば4種混合(百日ぜき・ポリオ・ジフテリア・破傷風の予防)の接種が生後3か月から始まるが、百日ぜきは生後早期にかかりやすく、非常に重篤になり、亡くなる子どももいる。ワクチンを接種していれば予防できる病気なので、できるだけ早く受ける必要がある。それぞれの病気には起こりやすい時期があるので、それに合わせて予防できるよう組まれている」

   公費の定期接種と、自費負担の任意接種との違いは何なのか。

齋藤氏「予防接種法で定められているのが定期接種で、定められていないのが任意接種。法律上の違いだけで、重要性に全く差はない。両方ともしっかり接種してほしい」

   重要なら、なぜすべて定期接種とならないのか。

堀氏「小児科医は国に定期接種化の要望を出している。専門の先生たちは頑張っている」

   今任意の予防接種が、数年後には定期になる可能性もある。また、任意のものも一部助成や無料化している地域もある。住んでいる自治体に確認してみよう。

   予防接種は体調がいい時に受けるのが原則だが、せきや鼻水が出ていても、平熱で普段通りなら受けられる場合がほとんどだ。体調や副反応について心配があれば、接種前に医師とよく相談して。親の不安が解消されてリラックスすれば、子どもも安心して受けられる。接種直後は15~30分病院で様子を見て、その後は遊び、散歩、入浴など、普段通りの生活でOKだ。

   接種後、いつもと様子が違うかもと感じたら、普段と比較するため、何時に寝た、何時にミルクを飲んだなど記録しておくとよい。

   日本小児科学会のサイトには、予防接種の推奨スケジュールや、受けそびれた時のためのキャッチアップスケジュールなどが公開されている。ネット上には、予防接種について様々な情報があふれているが、信頼できるものを参考にしよう。

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