動脈硬化を引き起こす脂肪はどこから来る? 食品ではなく口内細菌からを指摘する研究

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脂質の侵入経路は不明

   この細菌由来の脂質は一体どこから血管内へと流れ込んだのだろうか。研究者らによると細菌が直接血管へと侵入することはできないため、可能性があるとすれば脂質だけが何らかのルートで細胞壁を通り抜けるしかない。

   今のところまだそのルートは判明しておらず、正確な蓄積経路を見つけるためにアテロームのより詳細な分析を行う予定だという。研究者らはバクテロイデス科の細菌が口内で過剰に繁殖した場合、歯肉炎を引き起こす可能性が高いことから、口内疾患の有無が脂質の蓄積と何らかの関係にあるのではないかと推測している。

   では、脂質の発生源となっている細菌を除去することはできないのだろうか。一見いいアイデアのようだが、口内や腸内に一般的に存在する特定の細菌だけを除去するというのはほぼ不可能だ。仮に除去できたとして、その部位の細菌叢(最近の生態系)が大きく乱れ、別の健康被害を起こさないとも限らない。

   アテローム性動脈硬化症を含め、動脈硬化は定期的な運動や禁煙、安定した血圧の維持によってそのリスクを大きく抑えられることが確認されている。新たな報告まで、まずは健康的な生活習慣を心がけるべきだろう。

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