2024年 4月 19日 (金)

LINE、東京五輪にらみ新事業 「シェア自転車」と「その先」

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   LINEが中国のシェア自転車最大手「モバイク」の日本法人と業務提携を結んだ。LINEにとっては初のシェアリングサービス事業となり、2018年上半期をめどに無料通信アプリ「LINE」からモバイクの利用ができるように準備する。合わせてモバイクに20%以下の出資と役員の派遣も決めた。

   モバイクは中国各地で自転車シェアのブームを起こし、海外ではシンガポール、そして17年8月には日本に進出した。両社の視線の先には、20年の東京五輪がある。

  • LINE社長の出澤剛氏(左)とモバイク創業者のフー・ウェイウェイ氏
    LINE社長の出澤剛氏(左)とモバイク創業者のフー・ウェイウェイ氏
  • LINE社長の出澤剛氏(左)とモバイク創業者のフー・ウェイウェイ氏
    LINE社長の出澤剛氏(左)とモバイク創業者のフー・ウェイウェイ氏
  • LINE社長の出澤剛氏(左)とモバイク創業者のフー・ウェイウェイ氏
  • LINE社長の出澤剛氏(左)とモバイク創業者のフー・ウェイウェイ氏

7100万人のユーザーベースが「武器」に

   LINEは「スマートポータル」という戦略を掲げている。LINEのアプリからショッピング、決済、ニュース、ゲームと様々なサービスにアクセスできるようにするもので、モバイクとの提携はその一環だ。

   2017年12月20日の会見で、LINEの出澤剛社長は、シェア自転車サービスに注目した理由のひとつに「日本は世界でも有数の自転車大国」という点を挙げた。中長距離は公共交通機関を利用し、駅や停留所から目的地や自宅を結ぶ、いわゆる「ラストワンマイル」に自転車を使うようになる可能性が高いと考える。また2020年の東京五輪では、海外でシェア自転車サービスに慣れた観光客が来日すれば、モバイクが選ばれるだろうとみる。五輪期間中なら、観戦する競技場の移動にも便利だ。

   モバイクを日本国内で利用する場合、スマートフォン(スマホ)の専用アプリを使って表示された地図上で自転車を探して、予約も可能。車体のQRコードを読み込んで開錠する。料金の決済もスマホで完結する。返却は、専用の駐輪場であればどこでもよい。

   LINEの無料通信アプリは、国内月間利用者数7100万人を抱える。このユーザーベースを背景に、LINEアプリからモバイクの利用ができるようにする。料金の支払いは、決済サービス「LINE Pay」を活用し、自転車の予約や開錠を含めて「シームレスなサービスを展開していきたい」と出澤氏は話した。

   現時点でモバイクが国内でサービスを提供しているのは、札幌市のみ。会見に同席したモバイク創業者のフー・ウェイウェイ氏は、「一気に全国で展開することはないと思います。海外では、テストをしながらどの地域、数量が適しているかを決めていく『スモールスタート』にしています」と話した。

自転車を皮切りに「シェアリング事業考えていきたい』

   シェア自転車サービスは、国内で増えている。東京都内ではNTTドコモが、千代田区や中央区など7区での広域実験を続けており、全333か所の専用駐輪場での自転車貸し出し、返却を可能にしている。スマホがあれば登録や予約、利用時の開錠、料金の決済ができる点では、仕組み上若干の違いはあるがモバイクと変わらないと言っていい。またセブン‐イレブンは2017年11月21日、ソフトバンクグループのOpenStreet社と自転車シェアリング事業での協業を発表。18年度中にセブン-イレブンの1000店舗を、専用駐輪場として利用できるようにする。

   都内でサービスを始めるとなれば、モバイクは後発となる。LINEの出澤社長は「ライバル」に対する言及を避けつつ、「モバイクは(アプリなど)ソフトも、自転車というハードも、多分世界で最も速く改善をしており、そのスピード感は我々と相性が合うと思っている。こうしたサービスは改善が非常に重要であり、そこが強みになっていくと思う」と話した。

   出澤氏は、シェアリングサービスの伸びに可能性を感じている。PwCの調査では、シェアリング・エコノミーの市場規模は2013年の約150億ドルから、2025年に3350億ドルまで成長する見込みとなっている。シェア自転車に続き「これからいくつか、シェアリングの事業は考えていきたい」と述べた。

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