2024年 5月 3日 (金)

メディアが広めた「旧中山道」誤読伝説 有賀さつきさん、本人も生前たびたび訂正するが...

「漢字離れ」論争のシンボルに

   もう一つは、「漢字離れ」批判の文脈だ。94年に刊行されベストセラーになった『読めそうで読めない漢字2000』(加納喜光著)では、まえがきでいきなり、

「ある若手アナウンサーが横書きになった『旧中山道』を『いちにちじゅう、やまみち』と読んだという嘘のような話がある」

と言及している(ちなみにこの「まえがき」は、他の誤読例も含め上記の朝日記事が元ネタの可能性が高い)。

   当時はワープロ、パソコンの普及が進み、若い世代の漢字力低下が論争を引き起こしていた時期だ。当時人気女子アナだった有賀さんが新聞報道を皮切りに、いわばシンボル的にそのやり玉に挙げられ、繰り返しメディアで語られることで、不正確な「伝説」が固定化した――そんな見方ができそうだ。

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