2024年 4月 29日 (月)

岡田光世 「トランプのアメリカ」で暮らす人たち 教師に銃で生徒を守らせる大統領

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州議会は黙祷の後、銃規制動議を否決

   2月20日、フロリダの州議会は、同州で起きた銃乱射事件の犠牲者への黙祷で始まった。その後、犯行でも使われたアサルト銃と大容量の弾倉禁止の法案提出を求める動議は、下院で賛成36、反対71で否決された。

   今回の事件で友人の命を奪われ、自らも死の淵に立たされた高校生たちは、事件後すぐに銃規制強化を求めて立ち上がった。彼らはこの議会を傍聴し、決議に落胆した様子だった。

   21日、トランプ大統領はこの事件の生存者や遺族らをホワイトハウスに招き、涙ながらに訴える彼らの声に耳を傾けた。この様子は、テレビで中継された。

   トランプ氏は、「どれだけ多くの子供たちが、銃撃されなければならないのか。この政権と私が、悲劇に終止符を打つ」と約束した。

   そして、銃購入者の身元調査を強化し、メンタルケアを充実させる、さらに一部の教師が学校で銃を携帯することを提案した。

   トランプ氏は23日にワシントン郊外で開かれた「保守政治行動会議(CPAC)」でも、「教師たちが特別な訓練を受け、防衛のために学校で銃を携帯すべきだ。教師だからこそ、愛する生徒たちを守れるのだ。銃のない学校は、心に病を持つ臆病者の格好の標的になってしまう」と強調した。

   今回の事件が起きた時、現場には警備担当警察官がいたが、銃乱射が起きている建物に入り、犯行を阻止しようとしなかった。生徒や教師が自分の命をかけて仲間の命を救おうとしたなかで、「生徒を守るべき人間が、何もしなかった」と強い批判を浴びた。その一方で、「あの状況で彼に何ができたというのか」と同情する声も少なくない。

   教師が銃を携帯する案について、「警察官にできなかったことを、教師に求めるのか」、「学校は戦場ではない。必要なのは銃でなく、銃規制だ」と反発も強い。

   元海軍兵の女性教師がテレビのインタビューで、こう答えていた。

「学校がもっと安全であってほしいと思う。でも教師には訓練を受ける時間的余裕もないし、大事な教育予算をそれに費やすのは反対だ。(警察官や元軍人など)すでに訓練を受けている人材を、学校に配置する方が現実的だ。生徒たちに意見を聞いてみると、『金属探知機があったら、もっと安全だと感じられる』という子が多くて、驚いた」
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