2018年 5月 20日 (日)

政府&産経「書き換え」野党&朝日「改ざん」 法的にはどっちが正しい?

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   学校法人「森友学園」に関する財務省の決裁文書は「書き換え」られたのか「改ざん(改竄)」されたのか、各所で表現が割れている。

   刑事罰の可能性も指摘されている今回の件。法的には「書き換え」と「改ざん」のどちらと捉えるのが適当か、専門家に聞いた。

  • 森友文書について大きく報じた3月13日の全国紙朝刊1面
    森友文書について大きく報じた3月13日の全国紙朝刊1面

菅官房長官「書き換えだと思っている」

   財務省は2018年3月12日、森友学園をめぐる省の決裁文書14点で「書き換え」があったとする報告書を発表。菅義偉官房長官は同日午後の会見で、「書き換えの認識か文書改ざんの認識か」と問われると「書き換えだと思っている」と述べた。理由として「全体を見て、本文についてはほとんど変わっていなかったと思っている」との認識を示した。

   野党の認識は違うようだ。ツイッターでは枝野幸男・立憲民主党代表が13日「財務省の公文書改ざん問題について多くの皆さんから激励の声をかけていただきました」、大塚耕平・民進党代表も同日「改竄後の文書の中には『頁そのものが消失している部分』がある」、小沢一郎・自由党代表も同日「国有地売却に関する決裁書類が改ざんされていた」、玉木雄一郎・希望の党代表は12日「改ざんの結果、安倍内閣総理大臣の名前も消されている」――などとそろって「改ざん」と表現した。

   全国紙も真っ二つ。13日の朝刊1面をみると、比較的政権寄りの論調をもつ読売・産経新聞が「書き換え」のみで通している一方で、朝日新聞は「14件の文書を意図的に改ざん」、毎日新聞も「関連文書14件で約300カ所が改ざん」と書いた。なお、今回の疑惑を最初に報じた朝日の2日朝刊1面や、「本件の特殊性」の表記があった決裁文書を紙面掲載した毎日の8日夕刊では、いずれも「改ざん」の言葉はなかった。

   大阪地検特捜部は森友文書をめぐり、公用文書毀棄などの疑いの告発を受理しているという事情もある。認定が書き換えか改ざんかで、法的な扱いは変わるのか。

弁護士に見解を聞いた

   「弁護士法人・響」の天辰悠(あまたつ・はるか)弁護士は13日、J-CASTニュースの取材に、「書き換え」と「改ざん」の違いについてこう答える。

「いずれも法律用語ではありませんので、内容に変更を加えるという意味では法律上同義といえます。一般的なイメージとして、『書き換え』と聞くと単なる更新を連想させますが、『改ざん』には何らかの意図に基づく行為を連想させます。この点から、人によって使い分けがあるのかもしれません」

   刑罰の軽重などへの影響についても、「法律用語ではないため、区別はありません」という。また「参考までにお伝えすると、文書の本質的でない部分に変更を加えることを刑法上『変造』といいますが、変造も『偽造』と同じ法定刑とされていることが多いといえます」と述べる。

   こうした背景から、理財局の指示で書き換えられたと財務省が認めた森友文書は、書き換えと改ざんのいずれが適しているかについて天辰弁護士は

「法律用語ではありませんので、どちらの方が適している、という優劣関係はないと考えます」

との見方を示した。

   今回の財務省の調査結果から、可能性として誰にどのような刑罰その他の処分が考えられるかを聞くと、「誰の意思が表れた文書なのか、本質的部分の変更なのかにもよりますので、文書の抜粋ではなく全体を確認しなければ判断ができないといえます。また、変更後の内容が事実と異なるかどうかの精査も必要でしょう。変更を加えた公務員は虚偽公文書作成罪に問われる可能性があり、指示をした上層部公務員も共犯として刑事責任を問われる可能性があるといえます」と話していた。

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