2018年 6月 22日 (金)

ハリルホジッチ路線「好き・嫌い」、代表選手ら真っ二つ 西野監督で結束は可能なのか

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   田嶋幸三・日本サッカー協会(JFA)会長は、「選手との信頼関係に問題があった」ことをハリルホジッチ監督の解任理由にあげたが、具体的に何が起きていたのかはっきりしない。

   代表選手の発言をたどると、監督を批判する選手がいる一方で、シンパシーを抱く選手もいる。「反ハリル」と「親ハリル」は果たして西野朗・新監督の下で一致団結できるのだろうか。

  • 解任されたバヒド・ハリルホジッチ監督(2016年8月撮影)
    解任されたバヒド・ハリルホジッチ監督(2016年8月撮影)

本田圭佑の意向は

   田嶋会長は2018年4月9日、ハリルホジッチ監督を7日付で解任し、西野朗・技術委員長を後任監督にしたと発表。ロシア・ワールドカップ(W杯)2か月前という異例の更迭。その理由を「(3月下旬の欧州遠征)マリ戦とウクライナ戦で、選手と監督の信頼関係・コミュニケーションが薄れた」からだと繰り返した。

   ハリルホジッチ監督が志向したのは、守備から入ってボールを奪い、素早く縦につなぐカウンター・サッカー。14年ブラジルW杯でアルベルト・ザッケローニ体制がめざした、ボール支配率を高めるポゼッション・サッカーとは対極にある。そのため、ポゼッションを重んじる選手と監督の間に摩擦があったようだ。

   FW本田圭佑(パチューカ)は3月30日付のwebスポルティーバ記事で、右ウィングで縦への速さを求められる戦術に「もともと得意なプレーじゃないですよね。でも、監督はチームとして取り組んでいきたい戦術なんですよね」と、葛藤を隠さなかった。さらに

「試合を支配するということが僕は大事だなと思っています。ただ、それがチームのやりたいことかというと明らかに違うと思うし、(考え方の)少なくとも融合みたいなものが、もう少し見つけられないのかなと思っています」

とハリルホジッチ監督に明らかな不満を示していた。解任発表後の4月10日にはツイッターで「It's never too late.」(遅すぎることはない)とだけつづっている。

   また、10日付のスポーツ報知によれば、本田は監督と約2時間の激論を交わしたことがあった。FW岡崎慎司(レスター)も直接監督と議論したことがあるという。

   MF香川真司(ドルトムント)も、選外となった11月の強化試合・ブラジル戦をわざわざ現地観戦し、ハーフタイムに西野技術委員長へ直談判に向かっていた。本田、岡崎、香川。長く代表を支えながらW杯を前に冷遇されていた3人だ。

原口「(この戦い方で)チャンスはあるはず」

   ところが、ハリルホジッチ監督に重用されてきた選手ほどシンパシーを抱いているような傾向もある印象だ。

   DF吉田麻也(サウサンプトン)はハリルホジッチ体制でほぼ全試合にフル出場してきた。9日付の朝日新聞によると、解任の報を聞いて「まじっすか?」と仰天し、「(編注:ケガ前最後の招集となった)少なくとも11月はブラジルは強かったですけど、ベルギーとは良い戦いができたし。そんなにどん底という感じじゃ(ない)」と可能性を感じていたようだ。吉田の言う17年11月のベルギー戦(0-1)と、同8月のオーストラリア戦(2-0)はチームとして戦術がフィットしかけた試合だったと評価されている。

   ハリルジャパン不動のセンターFW大迫勇也(ケルン)は、監督のめざすサッカーに同調するような発言をしている。1月7日放送の「日本サッカー新時代~2018年への旅~」(テレビ朝日系)で、「世界の強豪からゴールを奪うには?」という問いに「ショートカウンター」と回答。「自分たちでつないで、うまく相手を崩して点を取るのは想像できない」とボール支配へのこだわりは捨て、

「相手がボールをもつことが多いので、取った時にどういうアイデアがあるか、そこからどういうカウンターをしていくかが大事」

と断言した。

   FW原口元気(デュッセルドルフ)は「サッカーダイジェスト」4月12日号のインタビューで、ハリルホジッチ監督の方針に共鳴する言葉を残している。

「よりリアリストで、実際、監督は相手の良さを消して勝つサッカーを追求しています。(この戦い方で)チャンスはあるはず。ヘルタでもデュッセルドルフでもそういうサッカーをしてきていて慣れている。(ハリルホジッチ監督の下で)代表戦もこなしているし、自分としては得意なスタイル」

   原口はW杯最終予選で4戦連続ゴールを決めるなど、ハリルホジッチ体制で大迫とともに前線の屋台骨となった。同誌ではW杯の目標を史上初の「ベスト8」と明確に見定めていた。監督のサッカーなら行けるという意思だったのかもしれない。

   ポゼッションかカウンターか。サッカーの戦略の根本にある考え方が二つに割れているようだ。ワールドカップまであと二か月。西野監督はどうやってまとめるのか。

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