「記憶の限り」そろそろ限界? 進次郎氏、愛媛県知事からも厳しい声が

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   「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、当時の柳瀬唯夫・首相秘書官が「記憶の限りでは」とことわった上で、「(誘致自治体側職員と)お会いしたことはありません」と、面会を「否定」したことに疑問の声が上がっている。

   秘書官との面会記録が、誘致側の愛媛県で作成されていたことが分かったことを受け、政権に批判的なメディアや野党だけでなく、自民党内からも厳しい指摘が出る事態となっているのだ。

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留保付きで「お会いしたことはありません」

   2018年4月10日、愛媛県の中村時広知事が会見を開き、15年4月に首相官邸で、柳瀬氏と県や同県今治市の職員らが面会した際の記録を県職員が、忘備録として文書で作成していたことを認めた。

   これに対し、柳瀬氏はコメントを発表し、「記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません」「外部の方に対して、この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはあり得ません」と、愛媛県の面会記録内容を「否定」した。ただ、面会の有無自体の否定は「記憶の限りでは」と留保をつけている。

   翌11日の衆院予算委員会でも、愛媛県の記録と柳瀬氏の「否定」コメントとの矛盾を指摘する声が野党側から相次いだ。自民党からも、小泉進次郎・筆頭副幹事長が都内であった講演で、

「『記憶の限りでは』という注釈を付けるのなら、『会ってない』と言い切ることはできない」「理解できない」

と疑問を呈した。また、各メディアによると、中村・愛媛県知事も11日の会見で、

「『記憶の限り』という発言は気になる。どうなのかな、と聞いたほうは感じてしまう」

と、否定コメントの信ぴょう性に疑念を示した。

読売新聞にも「政府・与党からの厳しい声」が載る

   メディアの反応をみると、「森友・加計問題」で政権の責任追及を続けている朝日新聞は11日付朝刊(東京最終版)の2面総合面で、柳瀬氏コメントについて「説明の信用性が問われるのは必至だ」と指摘。社説でも「では、愛媛県の職員はウソを書いたというのか。(略)関係するすべての人を国会に呼んで、話を聞かねばなるまい」と触れている。

   一方、政権寄りとされる読売新聞の11日付朝刊(同)でも、政府・与党側からあがっている厳しい声を伝えた。3面総合面で、自民党内からも「面会していないなら、断言すればいい。逃げ道を作っているようで見苦しい(閣僚経験者)」という指摘が出ていると紹介。さらに、政府・与党内にも「今後も面会を否定し続ければ、国民による不信感を増幅させる(政府関係者)」といった見方があることも伝えた。

   柳瀬氏と愛媛県・今治市職員との面会については、過去にも論点として浮上しており、17年6月の衆院予算委の閉会中審査で、柳瀬氏は「お会いした記憶はございません」と答弁していた。

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