2018年 11月 21日 (水)

海賊版サイト対策、カドカワ・川上社長「ブロッキングしか対抗手段がありえない」

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   海賊版サイトへのアクセスを遮断する「ブロッキング」について、大手出版社KADOKAWAの親会社、カドカワの川上量上社長が、2018年4月24日に更新したブログで、その意義について解説した。

   ブロッキングは通信の秘密への侵害の恐れがあるものの、政府は緊急避難であるとして違法性が阻却出来るとしており、川上さんもその立場から様々な理由を挙げ「根本的に有効な方法はブロッキングしかありません」と強調した。

  • 川上量上社長(画像はカドカワの公式ウェブサイトのスクリーンショット)
    川上量上社長(画像はカドカワの公式ウェブサイトのスクリーンショット)

広告を下げて収入源絶つのは有力だが「欠点」も指摘

   ブロッキングの根拠となっている緊急避難は、漫画村を始めとする海賊版サイトによって権利者や出版社が被る被害の大きさが、ブロッキングによって侵害される通信の秘密よりも大きい、ということから違法性を阻却している。ブロッキングはあくまでもプロバイダー側への「要請」という形ではあるが実際に、23日にはNTTグループは「短期的な緊急措置として、海賊版3サイトに対してブロッキングを行う」と発表している。

   しかし、この緊急避難を巡っては議論が噴出し、大学教授らによる一般財団法人情報法制研究所(JILIS)は11日、ブロッキングは緊急避難の条件を満たさず、政府による検閲に該当するおそれがあることや、法整備しないままでのブロッキングは「法治国家原理からの深刻な逸脱」であると批判している。

   そうした議論に対し、川上さんは24日に更新したブログで、カドカワの社長であり、動画サイト「ニコニコ動画」の創業者でもある自身の立場を

「今回のブロッキングについては出版社という権利者としてだけでなく、規制される可能性を心配すべきかもしれないウェブ事業者でもあるということで、2重の意味で利害関係者となります」

と説明し、ブロッキングを支持する理由をつづった。

   川上さんは、海外にサーバーを置く海賊版サイトに対し裁判を起こし勝利しても強制執行が難しいという現状や、企業に広告を取り下げさせて収入源を絶つ対策は有力としつつも、確実性が無いという欠点もあると指摘し、

「現実問題として、海外の悪質な、確信犯的に運営されている違法サイトに対しては、ブロッキングしか対抗手段が原理的にありえない」

と強調。回避手段があるとしてブロッキングを是としていないインターネット業界に対して「欺瞞であるとさえ思います」と批判した。

   一方で、法整備を重視する姿勢にも理解を示しており、

「いまの緊急避難的なブロッキングはあくまでも臨時的、かつ最後のものとするべきであり、ちゃんとブロッキングの法的な根拠を定めた立法化をおこなったうえで、行政からの指示ではなく、違法かつ海外のサーバーで日本人向けのサービスをおこなっていて、連絡がとれないなどの悪質のサイトにかぎり、裁判所の仮処分申請でブロッキングできるような環境整備をできるだけ早期におこなうべきだと考えます」

と、緊急避難はあくまで臨時のものであることを強調した。

若年層に広がる「ただでネットで読める」という認識に警鐘

   また、

「特に若い世代では、電子書籍を買わないどころか、ただでネットで読めるのに紙のマンガをなぜ買わないといけないのかという認識まで広がりつつあります。この世代はまだ購買力の低いひとたちが中心ですが、10年後、20年後、いま書籍を買っていただいている年齢層まで次第に成長していくことを考えれば、出版業界は非常に危機的な状況であるといえるでしょう」

と、若年層の意識の変化に触れ、出版業界の将来的な危機についても警鐘を鳴らした。川上さんによると、着実に成長してきた電子書籍の売り上げが17年8月から急減しており、中でもコミックは前月比で減少するようにもなっているという。

   ブロッキングに関しては約5年前から知財委員会で訴えてきたものの、議論が進んだのはフリーブックス問題以降の17年8月からだといい、「いくつかの偶然が重なった奇跡的なこと」だといい、

「今回の政府のブロッキングにかかわる施策を拙速だと批判するよりも、変化の早いネットの世界に比して対応が後手にまわりがちで時間もかかっていた法制化の議論を、一挙に進める好機だと関係者の皆様には捉えていただき、違法サイトに対して実効性のあるブロッキングの法制化にむけて、みなさんの知恵をお借りできればと思っています」

と理解を求めた。

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