2018年 7月 19日 (木)

ここは嫌韓系の掲示板? 内閣府「国政モニター」の中身が物議

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   「嘘つきは泥棒の始まりと言いますが、竹島、仏像、尖閣諸島問題をみても、世界一信用の置けない民族です」「日韓首脳会談に『非韓三原則』を」「在日外国人の俗にいう特権をすべて廃止していただきたい」――一見すると、嫌韓系の匿名掲示板やブログかと思えるが、なんとこれは、「内閣府」のサイトに掲載されている文章だ。

   内閣府政府広報室による「国政モニター」は、国民の声を政治に反映させることを目指し、池田勇人内閣(当時)が創設したものだ。モニターからの投稿は、内閣府のサイト上で公開されている。しかし誕生から半世紀強、その「国民の声」の中身は――。

  • 内閣府「国政モニター」のトップページ
    内閣府「国政モニター」のトップページ
  • 実際に掲載されている「意見」の一部
    実際に掲載されている「意見」の一部

韓国関係の投書がずば抜けて多い

   2016年度には、約3700件の「意見」が公開されている。数々のテーマの中でも、「その他」を除いて最も投書数が多いのが「日韓関係」(139件)であり、その大部分は、韓国に対する非常に辛辣な意見だ。

   たとえば、大分県の50代男性(事務職)の「意見」は、

「竹島を終戦のどさくさに紛れて盗み、仏像も盗む。嘘の歴史を教え、嘘をつき、真実に見せかける。しかも自国がベトナム人に孤児を何千人もつくった事は棚に上げる。韓国との国交は無くし、在日、帰化人の強制退去が必要ではないでしょうか。可哀想なのは、純粋な日本人です」

と、韓国との「断交」と在日韓国人らの「強制退去」を訴える。他の年も含め、こうした投稿は枚挙にいとまがない。

「『泣く子は餅を一つ余計もらえる』『嘘も100回言うと本当になる』というのはかの国のことわざですが、そういう国民性であるということもよく考えるべきでしょう。(中略)国内にいる在日と呼ばれる方々が嫌われるのも同じ理由なのですが、かの民族に対する対処はよく考えていただきたい」
「この国(韓国)は本当に日本に必要な国でしょうか。すでに友好国ではなく仮想敵国ではないかと懸念しています」
「韓国が設置している少女像と称している物は、『売春婦像』と呼ぶべきものであります」
「彼ら(韓国)の反日姿勢が止むことがないばかりか、ゆすりたかりを繰り返して、日本人の意識を嫌韓から排韓に移行させています」

「お店で『朝鮮式お辞儀』をされた」「反日百科事典サイト取り締まって」

   沖縄県の基地反対運動に対しても、

「沖縄ヘリパッド建設への反対活動を行なっている市民グループの傍若無人ぶりが目に余ります。(中略)メンバーの中には朝鮮や中国から来ている者も多く、これは完全に内乱罪です。一刻も早く彼らの排除を断行すべきです。日本人でこれに参加している者達も外患誘致罪が適用されるべきです」
「暴力まがいや暴言などで脅かしながら基地移転に反対している一部の左翼思想者(議員も多く関わっている)と、日本の弱体化を狙う外国人(中国人・韓国人)が声を大にして基地反対運動を繰り広げている。(中略)こんな卑怯で陰湿な県にしたのは誰か。勿論左翼と売国勢力だが、それを許してきたのは政府である。沖縄は非常にどす黒い」

などと、移転反対派を貶めるような「意見」がずらりと並ぶ。

   ほかにも、「シナが日本の領土を侵し、元総理でありながら国賊に落ちた鳩山氏もそれをそのまま主張している。(中略)鳩山元総理など、外患誘致罪で処刑にすべきではないだろうか?」と、鳩山由紀夫元首相の「処刑」に言及するものや、民進党のある議員が「北朝鮮とのつながりが深く、日本に対して破壊工作をしている」と主張するもの、痴漢冤罪を起こした女性は故意であれ誤認であれ「社会的に抹殺しないと平等じゃない」との論、はたまた、

「買い物でお店を4軒ほどまわったら、すべて『コンス』と呼ばれる朝鮮式お辞儀をされた。(中略)以前からの「日本式お辞儀」で徹底して欲しいと願います」

と訴える50代女性、ウィキペディアと見られる百科事典サイトが「反日的」で「日本の世論世相を時間をかけて崩壊させようとする運営及び国外の素性である在日の暴挙」(原文ママ)なので取り締まるべきだ、と憤慨する30代男性など、少し「ずれた」内容も少なくない。

内閣府「個々の意見を尊重してそのまま載せている」

   これらの「意見」の数々は、ブログ「ロジ・レポート」が2018年4月30日に取り上げたことでにわかに注目を集め、ツイッターなどで「ヘイトスピーチではないか」などと議論を呼ぶこととなった。

   国政モニター制度は1962年、当時の池田勇人首相が、国民の声を拾い上げるために立ち上げたもので、毎年600人程度が公募される。選ばれたモニターは、内閣府によるアンケートなどへの協力が求められるほか、随時「国の行政施策全般に関するご意見」を提出することになる。

   上に挙げたのは、その「ご意見」の数々だ。「誹謗中傷」「差別的な内容」などは、「ご提出いただいても公表いたしません」としているのだが――。

   内閣府政府広報室の担当者は5月1日、J-CASTニュースの取材に、

「ネット上での議論は把握しており、どのような内容かを現在確認中。寄せられたものは、個々の意見を尊重して原文のまま載せている」

と、困惑をにじませる。

   実はすでに、2016年度を最後に募集はストップしており、現在は「休止中」だ。もしかして、指摘されているような「意見の偏り」が原因?

「いいえ、違います。これまでは600人程度の方のみが対象だったので、よりたくさんの人からの意見を集めるシステムを工夫したいと考えてのことです」
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