2021年 4月 13日 (火)

夏がくる!「車内放置の子供救う」ため窓ガラスを割ります マルハン張り紙が話題 法的問題は...

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弁護士「よっぽどのことがない限り器物損害罪が成立することはないでしょう」

   J-CASTニュースが「弁護士法人・響」の坂口香澄弁護士に見解を聞いたところ、まず「刑事上は器物損壊罪(刑法第261条)にあたる可能性があります」としつつ、免責される余地が十分にあることを示した。

「刑法では『緊急避難』にあたる行為、つまり『自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為』は、罰しないことを原則としています(刑法第37条第1項)。そのため、『他人の生命』である子供の命を救うためにやむをえず、窓ガラスを割るという行為にでた場合、その行為は刑事上罰せられません」

   緊急避難として免責されるためには、「その行為によって生じた害が、避けようとした害の程度を超えないこと」が要求されるものの、

「子供が車内でぐったりしているような状況で子供の生命が危険にさらされることに比べれば、窓ガラスが割れる被害がこれを超えるということはないので、よっぽどのことがない限り器物損壊罪が成立することはないでしょう」

とのことだった。

   また、窓ガラスを割ることで車中の子供を負傷させてしまった場合、「過失傷害罪(刑法第209条第1項)にあたる可能性があります」とし、

「この場合も『緊急避難』として罪にならないと考えられます。ただし、子供が比較的元気な状態で、窓ガラスを割ることによって重篤な傷害を負わせてしまった場合は過剰避難となる可能性があります。そのため、窓ガラスを割る際は、子供のいる場所からなるべく離れた場所のガラスを割る、破片が飛び散らないように工夫をするといったことが重要になります」

と話していた。

   次に民事上の責任については、窓ガラスを割った店員と、その使用者であるパチンコ店が、車の所有者と、子供に怪我をさせた場合には子供に対し、「不法行為(民法第709条、同法第715条第1項)としてその損害を賠償する責任が生じる可能性があります」とする。ただ、

「民事上も、他人の身体等に危険が差し迫っている場合、それを避けるためにした行為によって損害を生じさせた場合にはその賠償の責任を負わないとする規定があります(民法第698条 緊急事務管理)。したがって、車内の子供の生命や健康に対し危険が差し迫っていると認められる場合に、救助のために窓ガラスを割って怪我をさせてしまったとしても、わざと、又は重大な過失によるものではない限り、民事上の責任を負うことはありません。窓ガラス自体の損害についても、不法行為の成立要件である『違法性』がないと判断される可能性が高いです」

と、やはり責任が問われない余地が大きいようだ。

   マルハン広報担当者も、「ガラスを割る前段階で『事前にアナウンスを繰り返す』『警察の指示を仰ぐ』ことを徹底することで、弊社ではガラスを割ることが『過剰避難』と捉えられることがないようにしています」と慎重に対処しているとのこと。そのうえで、

「しかしながら車内放置発見時に、優先すべきは尊い『人命』です。万が一法的責任を問われたとしても、法的責任を真摯に受け止めつつも、弊社では今後も『人命』最優先で取り組んでいく方針です」

と話していた。

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