大阪府の松井一郎知事が、共産党の募金活動についてツイッターで「先ず自分達の経費を差し引くので注意しましょう」と揶揄し、共産党の前衆院議員から抗議を受けて「ルール変更を存じ上げずに、申し訳ありません」などと陳謝する一幕があった。ただ、松井氏が言及した「ルール」も存在せず、「てっきり党のルールと誤解していました」と、さらに釈明に追われた。「共産党の募金活動は、先ず自分達の経費を差し引くので注意しましょう」松井氏は、2018年7月10日のツイートで、豪雨を受けて自民党が募金を始めたことに触れ、「であれば、先ずは自民党所属国会議員全員の報酬2割くらい集めて率先垂範すべきでしょ」などと主張。これに続く形で、「共産党の募金活動は、先ず自分達の経費を差し引くので注意しましょう」と、共産党にも触れた。このツイートは、共産党・品川地区委員長の香西克介氏が熊本地震直後の16年4月に行った演説会を報告するツイートで、募金の使い道について「募金は37万円も。熊本の被災地救援、北海道5区補選支援、党躍進のためにありがたく使わせていただきます」などと説明し、募金用封筒にも同様の記載があったことが批判を浴びたことを念頭に置いているとみられる。ただ、この件では直後に香西氏は謝罪し、募金を全額熊本に送金したこと明らかにしている。「募金活動自体を党略的行為とみなす暴言」松井氏のツイートに対して、共産党・清水忠史・前衆院議員が「日本共産党は西日本大雨被害支援のため、集めた募金全額を被災地に届けることを表明しています。党を通じて募金したみさなん(原文ママ)を愚弄し、募金活動自体を党略的行為とみなす暴言です。訂正と謝罪を求めます」などと抗議。松井氏は「今回からは経費を差し引かずに全額被災地に届ける事を決められたのですね。熊本地震の時は経費を差し引かれていたので今回も同様と思っていました。共産党は以前のルールを見直し、今回の災害募金からは経費差し引きを見直されました。ルール変更を存じ上げずに、申し訳ありません」などと、熊本地震の際は経費を差し引くルールがあったという前提で謝罪したが、清水氏はさらに「日本共産党として募金から経費を差し引くことをルール化したことはありません」などと反論。松井氏は、問題になった香西氏の募金現場とみられる画像をリツイートしながら、「熊本地震の時の共産党の募金箱の左隅に小さい字で、『救援復興にかかる政治活動経費等、現地の党組織の裁量で使える募金』と表示されていましたので、てっきり党のルールと誤解していました」などと釈明した。小池書記局長「あの1件についてはよくないやり方だった」この香西氏の募金をめぐっては、小池晃書記局長が16年4月18日の記者会見で、「やり方はよくないと思う。ということで、注意もした。こういうやり方はしない方向で全体にも徹底したい」などと説明。その上で、「やはり被災地への募金というのは、それに限った形で集めるのが当然だし、志位(和夫)委員長も新宿での訴えの時に、必ず、何かの団体を通すのではなく全額自治体に届ける(と言っている)。これは東日本大震災から一貫して、直接自治体に持っていってお届けするという形でやっている。実際にはそうやっているが、あの1件についてはよくないやり方だった」として、香西氏の件が例外だという点を強調した。
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