2018年 9月 19日 (水)

首都大学東京、再び「東京都立大学」に改名? 小池氏発言で現実味、「都立大学東京」の声も

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   首都大学東京――かつての東京都立大学などを再編して、この一風変わった名前の学校が誕生したのは2005年のことだ。

   それから13年、「東京都立大学」の名前が復活するかもしれない。小池百合子都知事がこの「再改名」案に言及、大学側も「検討を開始」したとの声明を発表したのだ。

  • 首都大学東京の公式サイト
    首都大学東京の公式サイト
  • 都政改革本部会議で示された資料より。首都大生の不満は「知名度・大学名」で目立って高い
    都政改革本部会議で示された資料より。首都大生の不満は「知名度・大学名」で目立って高い

慎太郎流で決まった名前だが...

   「総じて、改名が及ぼすメリットは大きいと考えています。首都大クソbotとしては少々寂しくはありますが......」――2018年7月18日、J-CASTニュースのツイッターを通じた取材に、そんな複雑な心境を語ったのは、首都大のある現役学生である。

   こちらの学生は、「首都大クソbot」なるツイッターアカウントの「中の人」だ。大学をめぐる様々な「自虐ネタ」を日々つぶやいている。たとえば、

「___________大学
こういうのどう書けばいいのかわからないから首都大はクソ」

といった具合に。

   事の発端となったのは、2018年7月12日に行われた都政改革本部会議での、小池百合子都知事の発言だ。会議には、首都大学東京の関係者が出席、その現状などを都知事らに報告した。その中で議論に上ったのが、大学の知名度向上、いわゆるブランディングをめぐる課題である。

   そもそも首都大学東京は2005年、時の石原慎太郎都知事の主導で、東京都立大学など4校を統合、新設された。注目されたのは、日本ではほかに例のない、「~大学」式ではない一風変わった名前だ。当時の新聞報道によれば大学名は一般公募を行ったが、なぜかそこになかった「首都大学東京」が決定案に。最終的な命名者は石原氏本人だ。同時期にはほかにも「新銀行東京」なるネーミングも行われており(18年5月、合併で消滅)、その趣味が強く出た命名だったようだ。

   その奇抜な名前はしかし、今のところ定着しきっていないようだ。都政改革本部会議で示された資料によると、「大学の改善してほしい点」を学生に尋ねたところ、「大学名・知名度」が46.1%でトップに。「全然知名度がない」「首都大の名前を企業が知らないことがある」「大学のレベルの割に知名度が低い」――と、不満の声が相次いだという。

以前から学生の間では「不満」の声も

   説明を聞いた小池氏は、認知度向上のためには、大学名を変えるくらいの大胆な改革が必要だとコメントした。そして、

「かつてあった『東京都立大学』というのが、今は駅名で残っているだけでございますが、これ(に改名する)のも一つの考え方だと思いますけれども、いかがでしょうか」

と提案したのだ。

   その5日後の7月17日、首都大は公式サイトで、「首都大学東京の名称に関する東京都知事発言について」と題した声明を発表した。そこでは知事の発言概要を紹介したうえで、「本学の設置法人である公立大学法人 首都大学東京において対応の検討を開始しております」と、改名検討に前向きとも取れる態度を示している。これをきっかけに、在学生の間でも「改名」問題が一気に注目を浴びることとなった。

   「首都大クソbot」の中の人である学生は、この動きを歓迎している。

「以前から学生の間では、大学名や学部名に対する不満(自虐ネタで使える程度の不満ではありますが)がありました。学部名は今年の学部再編とともに変更されましたので、学生にとって大学名変更は残された悲願です。この悲願が達成されようとしているのは非常に喜ばしいことです」

   別の現役首都大生も、以前から学生、また一部の教員からも「改名」を求める声があったと説明する。この学生自身、改名には「どちらかというと賛成」だと語るものの、学内では賛否両論が出ているようだ。

意外と「首都大学東京のまま」派もいる?

「やはり大きくは『首都大学東京のままでいい派』と『東京都立大学に戻してほしい派』の2つに分かれているようです。ただいざ改名が現実味を帯びてみると、意外と前者の意見も多く見られる印象があります。
前者の主張の理由には、『なんだかんだ今の名前が好き』『(首都大学東京に改名してからそんなに経たずに2度目の改名となるから)大学名をコロコロ変えないで欲しい』といったものがありました。後者の主張の理由には『世間や企業の認知度が低い』『単純に名前がダサい』『模試のとき志望大学欄の「大学」に対してどう書けばいいか高校生は迷う』といった感じです」

   ちなみにツイッター上では、都立大に変わる名称を考えよう、という話題が弾んでいるが、この学生によるとその中でも一部で共感を呼んでいるのが、「都立大学東京」なのだとか。学生の複雑な心情をうかがわせる。

   現実的には、改名論議はまだ始まったばかり。J-CASTニュースが18日、大学の経営企画室に取材したところ、

「都知事からお話をいただき、検討を始めた段階です。その進め方なども含め、引き続き検討していきます。公式サイトで発表したのは、学生の皆様にはたいへん重要な問題なので、状況をお知らせしたい、という思いからです」

との返答が。とはいえ、都知事発言を機に、13年の時を経て議論が動き始めたのは確かだ。

   最後に、前述の学生からの意見を紹介したい。

「しかし、『そもそも以前の都政時代に「首都大学東京」に改名していなければこんなことにはならなかった』という声もあり、いずれの意見でもこの点については恐らく多くの学生で意見が一致していると思います。私自身もそう思います」
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