2018年 9月 23日 (日)

男女とも60%超...「妊活」に関わるこの数字、わかりますか?

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   不妊治療を受けた男性の62.5%、女性の68.6%が、「もっと早く病院を受診すればよかった」と感じている。いずれも半数を大きく超える割合だ。

   これはバイオ医薬品やテクノロジー製品を手掛けるメルクセローノ株式会社(本社・東京都目黒区)が実施したアンケート調査結果。妊活® と不妊治療に対する意識、実態が見えてきた。

「不妊で悩んだ経験あり」→既婚男性27%、既婚女性35%

   日本産婦人科学会は、不妊症を「夫婦間で正常な営みを過ごしていて、1年経つにもかかわらず、子どもに恵まれない場合」と定義している。メルクセローノ株式会社は2018年6月、20~40代の2万6490人(男性1万3570人・女性1万2920人)に対し、妊活に関する意識調査を実施。7月10日に結果を公表した。

   「不妊で悩んだ経験はあるか?」という問いに、男性17.1%、女性は26.4%が「ある」と回答した。既婚者に限れば、男性27.1%、女性35.7%に高まる。それぞれ4人に1人、3人に1人以上という割合は、決して低い数値ではないだろう。「悩み」をいかに軽減・解消できるようにするかは、カップルの間だけではなく社会全体でも考えたいポイントと言えそうだ。

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    調査では、「既婚・未婚を問わず将来的に子どもを授かりたいと願う人が、スムーズに妊娠するために、不妊治療だけでなく日常生活で取り組んでいる活動」を「妊活」と定義し、その経験の有無をたずねている。

   「妊活したことがある」と答えた既婚男性は26.5%、既婚女性は35.1%。「不妊治療を受けたことがある」という人は、既婚男性12.7%、既婚女性は15.4%だった。男女間にそこまで大きな差はなさそうだ。

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「受診のきっかけは?」男女で差

   ところが、妊活を始めた経緯については男女で開きがある。調査では妊活経験のある既婚者600人(男女300人ずつ)に、「妊活を先に始めたのはどちらか?」をたずねており、「自分」と答えたのは男性10.0%に対し、女性は54.3%にのぼった。5倍以上の差だ。

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   それでは、妻から夫に相談はできているのだろうか。同じ600人に「妊活・不妊治療について話をしたい相手は?」と聞くと、女性で最も多かったのは「パートナー」の88.0%とかなり高い。一方、「妊活・不妊治療について話をしやすい相手」を聞くと、女性で「パートナー」と答えたのは75.0%。高い数値ではあるが、13.0ポイントの差がある。

   パートナーに「話をしたい」という望みと、実際に「話をしやすい」かどうかの間には、ギャップがあるようだ。世の中全体で、もっと気兼ねなく、妊娠を含めたライフプランを語れる社会になっていくことが必要だろう。

   さらに、同600人のうち、不妊症を疑い病院を受診した人(男性233人・女性214人)に「受診したきっかけ」を聞くと、「パートナーに勧められたから」と答えたのは女性7.9%に対し、男性は57.5%と、女性の約7倍。「自分の年齢が気になり始めたから」としたのは女性39.7%、男性はその約半分の18.0%だった。

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   こうした回答結果をみると、男性の方が不妊治療に受動的な傾向がうかがえる。不妊の原因は男女ともにあり得る。妊活は夫婦が手を取り合い、理解し合いながら進めていくことが大切だ。

受診まで「半年以上かかった」→男女とも4割超

   同600人のうち、不妊治療を受けた人(男性136人・女性121人)に「もっと早く受診すればよかったと思ったことがあるか?」をたずねると、「思った」と答えたのは男性62.5%、女性68.6%と、いずれも6割を上回る結果になった。受診をためらったことを後悔している人は少なくない。

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   また、不妊症を疑ってから受診するまでに「半年以上かかった」のは、男性43.7%、女性46.5%だ。特に女性を年代別にみると、20代は38.6%、30代は43.4%、40代は55.4%と、年齢が上がるにつれて増している。

   なぜ受診までに時間がかかるのか。不妊症を疑ってから受診までに3か月以上かかった人に聞くと、男女ともに最も多かった2つの理由は、「子どもを授かるのは自然に任せたかったから」(男性60.1%、女性63.1%)、「費用がかかるから」(男性26.1%、女性39.0%)だった。しかし次に多いのは、女性が「良い病院が分からなかったから」(27.7%)に対し、男性は「自分が不妊だと認めたくなかったから」(20.3%)。男性には心理面で受診をためらう傾向があるようだ。

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   では、不妊治療で重視するポイントは何か。男女ともにトップ3は同じで、2高1低の「高効果」「高安全」「低価格」であった。「効果=妊娠確率が高い」(男性80.9%・女性86.0%)、「安全性が高い(副作用が少ないなど)」(男性68.4%・女性73.6%)、「治療費が安い」(男性54.4%・女性65.3%)の順となった。

   厚生労働省の人口動態統計によれば、日本の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの平均数)は、15年の1.46から、16年は1.44、17年は1.43と2年連続で下がっている。不妊に悩む人が少なくない今、社会全体で妊活や不妊への理解を深め、ライフプランを語り合える世の中になっていくことが大切なのではないだろうか。さらに、妊娠、出産、子育てと続いていくライフプランをデザインしやすくするためには、ファミリー・フレンドリーな社会の実現も必要であろう。ファミリー・フレンドリー、そして妊活支援がさかんになる社会を応援していきたい。

【参考データ】2017年に実施した第1回の調査結果

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