2024年 4月 20日 (土)

吉野家が中国で「ザリガニ丼」売り出した理由 海外800店舗を実現したローカライズ戦略

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   あなたは、「ザリガニ」を食べたことがあるだろうか。記者は先日、初めて口にする機会があった。エビと似ているがまた違い、思ったよりは臭みもない。なかなかの珍味である。

   どこで食べたかというと――「吉野家」だ。

   と言っても、日本の吉野家ではない。中国・深センの店舗である。実は吉野家は年々、海外での展開を広げ続けている。その規模は、近い将来に国内を越える可能性も。その拡大を支えているのが、各地独自のオリジナルメニューである。

  • 中国・深センの吉野家で販売されていた「ザリガニ丼」。濃いめの味付けがご飯と合う
    中国・深センの吉野家で販売されていた「ザリガニ丼」。濃いめの味付けがご飯と合う
  • 店頭に貼られていたポスター。「ザリガニ」の文字も
    店頭に貼られていたポスター。「ザリガニ」の文字も
  • 深センの別の料理店で食べたザリガニ料理。殻ごとむしゃむしゃと食べる。味付けはやはりピリ辛が主流で、おつまみにぴったり
    深センの別の料理店で食べたザリガニ料理。殻ごとむしゃむしゃと食べる。味付けはやはりピリ辛が主流で、おつまみにぴったり
  • 中国・深センの吉野家で販売されていた「ザリガニ丼」。濃いめの味付けがご飯と合う
  • 店頭に貼られていたポスター。「ザリガニ」の文字も
  • 深センの別の料理店で食べたザリガニ料理。殻ごとむしゃむしゃと食べる。味付けはやはりピリ辛が主流で、おつまみにぴったり

中国で巻き起こる「ザリガニブーム」

   2018年8月。中国最大のIT都市・深セン。旅先の街角で、お馴染みのオレンジの看板を見つけた。

「へ~、こんなところにも吉野家が......」

   何気なく近づいてみて驚いた。メニューを張り出したポスターに、カタカナで「ザリガニ」の4文字が躍っていたからだ。

   実は中国では近年、「ザリガニ」料理ブームが巻き起こっている。食べられるのは、日本でもおなじみのアメリカザリガニだ。日本人の感覚では「ゲテモノ」という印象が強いが、もともと米国などでは一般的な食材である。中国には日本経由で持ち込まれたともいわれ、今やその養殖は一大産業だ。ここ最近、「小龍蝦(小さいイセエビ/ロブスターの意)」の呼び名で本格的に売り出され、人気食材の座をつかんだ。

   翌日、お店を再訪し、件の「ザリガニ丼」を頼むことにした。お重入りで、小エビほどのサイズに調理されたザリガニ肉が、トウモロコシとともにピリ辛に仕立てられている。お値段は36元(約600円)、近所の相場からすればやや高級路線だ。

   口に運んでみる。肉の味は、割合に淡泊だ。食感も、エビのような弾力はない。シャコあたりが近いが、日本人の舌にはちょっと味わいが物足りない。だがそれがかえって、こちらの麻辣な調理法にはしっくり来る。臭みも、この味付けなら気にならない。米の飯ともしっかり合う。ゲテモノなんてとんでもない。日本の吉野家に並んでも、人気メニューになりそうだ(もちろん、抵抗はあるだろうが......)。

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