2018年 10月 23日 (火)

「教育勅語」発言、党内からも批判され... 釈明に追われた柴山文科相

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   柴山昌彦文科相が教育勅語について「道徳などに使うことができる分野は十分にある」となどと述べた問題で、野党はもちろん、与党内からも批判の声があがっている。

   教育勅語をめぐっては、稲田朋美防衛相(当時)が「精神は取り戻すべき」と持論を述べて政権が火消しに追われた経緯がある。柴山氏は稲田氏の轍(てつ)を踏んだ形だ。

  • 柴山昌彦文科相の発言には自民党内からも異論が出ている(写真は文部科学省のユーチューブチャンネルから)
    柴山昌彦文科相の発言には自民党内からも異論が出ている(写真は文部科学省のユーチューブチャンネルから)

「同胞を大切にする」「国際的な協調を重んじる」点が現代風にアレンジ可能?

   柴山氏は2018年10月2日の就任会見で、下村博文文科相(当時)の04年の発言を念頭に、記者から教育勅語について

「過去の文科大臣は『中身は至極まっとうなことが書かれている』といった発言をしている」

などと認識をただされたのに対して、

「それが現代風に解釈をされたり、あるいはアレンジをした形で、今の例えば道徳等に使うことができる分野というのは、私は十分にあるという意味では普遍性を持っている部分が見て取れるのではないかというふうに思っている」

と発言。現代風にアレンジ可能な具体的な部分については、「同胞を大切にする」「国際的な協調を重んじる」という2点を挙げた。

   直後から野党からは「認識違いが甚だしい」(立憲民主党・辻元清美国対委員長)などと批判が続出。これに続く形で与党内からも批判の声があがった。自民党の後藤田正純衆院議員は10月3日夜、フェイスブックに

「どうしてわざわざ教育勅語をもち出すのだろうか?毎度の光景、毎度の質問、毎度の変答」

と書き込み、あきれた様子。1948年に国会で教育勅語の失効確認と排除について決議していることや、「教育の目標」について記載がある教育基本法第2条を挙げながら、

「日本国憲法の国民主権がしっかり根付いた日本には、道徳や教育、普遍的価値についての進化した表現や文章はいくらでもあるのに。。。大前提として、当時の教育勅語は国民主権のもとで作られたものではないことは、それを読めば誰でもわかるはず」

と嘆いた。後藤田氏が所属するのは、総裁選で安倍晋三首相と激しく対立した石破派。政権との微妙な距離感も、今回の発言につながった可能性もありそうだ。

「政府レベルでは」活用を推奨するわけではないが...

   教育勅語をめぐっては、稲田朋美防衛相(当時)が17年3月8日の参院予算委員会で、「教育勅語の精神は取り戻すべきだと考えている」と持論を述べて紛糾した経緯がある。これを受けて政府が2017年3月31日に閣議決定した答弁書では、

「学校において教育に関する勅語をわが国の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切」

だとしながらも、

「憲法や教育基本法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」

と答弁。これがさらに批判を受けたことから、4月21日に閣議決定した答弁書では、

「政府としては、教育の場における教育に関する勅語の活用を促す考えはない」

としている。

   菅義偉官房長官は、10月3日の記者会見で、柴山氏の発言そのものについては

「承知しておらず、コメントは控えたい」

としながらも、一般論として答弁書に沿った内容を繰り返し答弁。柴山氏は5日の会見で「『政府のレベルで』教育現場に活用を推奨するということではない」と釈明する一方で、一部の個人や団体が教育勅語アレンジして教育現場で利用することについては「十分理解できる」とした。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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