故・土井たか子氏から25年 野田聖子・新委員長の「さん」呼びは成功するか
2018.11.02 17:32
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「国会改革」の一環として取り組むが
土井さんは議長就任後、議場で議員を「さん」付けで呼んだ。首相指名の際も「細川護熙さん」だった。やはり当時、メディアが報じ、「議員呼び名『〇〇さん』 土井議長、さっそく独自色 『国民にわかる国会を』」(読売新聞、1993年8月7日付、東京本社版)などの見出しが躍った。
「さん」付けに込めた思いについては、たとえば、1997年1月17日付の朝日新聞掲載の対談(相手は羽田孜さん=故人)で語っており、土井さんは、
「私は議長になったからには、先例・慣例にがんじがらめになっている国会を改革しようと思った。手始めに議員を本会議で『〇〇君』ではく『〇〇さん』と呼びました」
と、国会改革の一環として位置付けていたことを明かしていた。
しかし、土井さんの議長就任から25年後の2018年11月、国会での議員の「さん」付けがまたもや「ニュース」になってしまった。土井さんが目指した「国会改革」は浸透しなかったようだ。
今回の野田委員長の「さん」付けをめぐる記者団とのやりとりの中では、「さん」付けで議員を呼んだ土井たか子・元衆院議長を意識したのか、との質問も出た。NHK報道によると、野田委員長は「特に意識はしていないが、『さん』付けが男女共通の呼称ではないか」と答えていた。