2024年 4月 20日 (土)

マラソンの好記録を支える「ペースメーカー」 タブーから「欠かせない存在」へ

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公表されたのは2003年

   高速化に大きく傾く近代マラソンにおいてペースメーカーの存在は、欠かせないものとなっている。海外では早くからその存在が明らかにされていたが、日本国内レースで初めてペースメーカーの存在が公表されたのは、2003年12月に行われた福岡国際マラソンだった。

   日本のマラソン界では、2003年12月以前、ペースメーカーは存在していたが、その存在はタブー視されていた。かつてのレースでは、25キロから30キロ付近まで先頭を引っ張っていた選手が、いきなりペースダウンして棄権するという光景が見られたが、これらの多くはペースメーカーだったとみられる。

   ペースメーカーは大会主催者によって招へいされる。大会ごとにペースメーカーの人数は異なるが、福岡国際レベルの大きな規模であれば通常、3人程度が起用される。ペースメーカーを起用する利点は、先頭集団の風よけとなり、レース途中まで正確なラップで集団が牽引されることで好記録を出しやすい環境を作り出す。

   大会主催者としては、レースで世界最高記録などが出れば「高速コース」として認知され、記録狙いの選手が世界中から集結する。これにより大会の価値が上がり、一般ランナーの出場希望者が大幅に増え、経営的観点で言ってもペースメーカーの存在は欠かせない。

   好記録を作り出すために陰から支える存在のペースメーカーだが、当然ならが高いレベルの走力を持ったランナーではなくては務まらない。大会ごとに契約内容は異なるが、ペースメーカーに課される距離は25キロから30キロまでがほとんど。ただ、この間、1キロ3分をメドにした正確なラップが求められる。

   ペースメーカーの報酬は大会ごとに様々ではあるが、およそ数十万円とされている。世界的に「高速コース」として知られ、優勝賞金が高額なビッグレースになれば、その報酬もグレードに沿ったものになるという。

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