2020年 10月 30日 (金)

ソフトバンク、FA全敗で補強なし? それでも「痛くもかゆくもない」理由

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2011年の「杉内流出」が転機に

   補強よりもFA流出阻止を優先させたソフトバンクには、FAにまつわる苦い過去がある。2011年オフ、当時エースだった杉内俊哉投手がFA権を行使して巨人に移籍。4年連続2ケタ勝利を収めたものの、球団の評価が思ったよりも低かったこともありFAの行使に踏み切ったとされるが、これに加えて杉内氏に対する球団関係者の失言が大きく影響したといわれている。

   いわば「人災」に近い形でのエースの流出に球団は危機を覚え、以降、FAに関しては慎重な対応をしてきた。2012年以降、ソフトバンクからFAで他球団に移籍した選手は3人いるが、いずれも補償を必要としないランクCの選手で、エース級の大物選手の流出を防いできた。2017年オフには、今オフの国内FA権取得を見越し、柳田悠岐外野手(30)と3年契約を結んでいる。

   翌年にFA権の取得が見込まれる選手は、FA権行使を見据えて単年契約を結ぶ傾向が多く見られ、12球団で最もFA移籍が多い西武では恒例化しつつある。ソフトバンクは大胆な戦力外通告を行う一方で、FA権行使の可能性がある選手には手厚いフォローを入れる。

「ソフトバンクはかけるべきところにはしっかり金をかける。杉内の過去があるのでFAに関しては他球団よりも神経質になっている。選手も複数年を蹴ってまで他球団に移籍しようとはしないし、金額もそれなりのものが用意される。選手の流出を防ぐことが厚い選手層につながる。ソフトバンクは補強できなくても痛くもかゆくもないはず」(前出の関係者)

   今オフ、FA補強に成功した巨人は、西武からFAで移籍した炭谷銀仁朗捕手(31)の人的補償で西武に内海哲也投手(36)を奪われた。今後、広島にも人的補償で選手を取られる可能性が残っている。巨人とは対照的に、FAで全敗を喫したソフトバンクは補強なしの無傷のままで年を越すことになりそうだ。

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