2019年 11月 12日 (火)

「すべて成功」でも「すべて失敗」でもない最長景気 アベノミクスの明と暗とこれからと

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もし景気が後退したら...抱える「リスク」

   大和総研が2018年10月に試算した実質可処分所得(名目所得から税金や年金・医療などの社会保険料などを引いた)の推移によると、共働きで年収1000万円の世帯の場合、2011年時点で818万円だったのが2014年には780万円台となり、2015年以降は780万円そこそこに張り付いたまま。国内総生産(GDP)の6割以上を占める個人消費が力強さを欠くのも当然だ。

   このため、内閣府のまとめでは、景気拡大といってもGDP成長率は低空飛行で、今回の拡大期間中、物価の変動を除いた実質成長率は平均で年率1.2%にとどまる。いざなぎ景気の11.5%には比べようもないが、バブル景気の5.3%、いざなみ景気の1.6%をも下回る。非正規労働の増加もあって、賃金の伸びは鈍く、「実感なき景気拡大」と指摘される所以だ。

   足元で、海外からは逆風も強まっている。米中摩擦を背景に中国の成長が鈍り、電機など部品を中心に日本からの輸出減の報道が相次ぐ。英国の欧州連合(EU)離脱問題の混乱が欧州の景気に影を落とす。国際通貨基金(IMF)が1月21日に発表した今年の世界の成長率見通しは3.5%と、従来見通しを0.2ポイント下方修正した。だが日本は、金融緩和政策はいっぱいいっぱいで追加緩和の余地はほとんどなく、財政赤字も拡大しているだけに、景気が後退した時に打てる政策は限られている。

   実は、景気の拡大・後退の公式な判定は、内閣府が有識者会合の議論を経て行うが、経済指標を詳細に分析して結論を出すので、半年~1年以上かかる。事後的に「戦後最長」が幻に終わる可能性もあり、浮かれている余裕はないのが実態と言えそうだ。

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