身近なあの人へ、「デジタル絵馬」で成功祈願はいかが？ 縁起が良すぎる花王「サクセス」の新サービス

   春は新生活のシーズンだ。この記事を読んでいる人の中にも、進学、就職、転勤などで、心機一転新たなスタートを切る向きもあるかもしれない。

   その名も「サクセス祈願サイト」。花王のメンズヘルスケアブランド「サクセス」がウェブ上で無料展開している。短文メッセージと贈りたい相手の名前を書くと「絵馬」のグラフィックが作成され送信できるという縁起物だ。「応援される人とする人の『橋渡し』ができれば」。開発を担当した花王の上田紘暢（こうよう）さんが、「サクセス祈願サイト」に込めた思いを明かした。

ほんの1～2分で作れる「デジタル絵馬」

   男性用シャンプーや育毛トニックなどで有名な「サクセス」は1987年発売の長寿ブランドだ。日本語で「成功」を意味するその名前は、30年を超えて支持されていることと相まって縁起物には打ってつけ。身近な人の成功を願い、ウェブ上でつくる「デジタル絵馬」で応援メッセージを贈れるサービス「サクセス祈願サイト」が2019年3月に開始した。

   「「普段は伝えにくい思いを、『サクセス』を通じて家族や友人、恋人などに伝えるツールとしてお使いいただけるサービスです。応援される人とする人の『橋渡し』ができればいいなと思っています。

   メールなどで直接文字だけを送るより、『デジタル絵馬』という何かしらのきっかけがあったほうが、特別な言葉を伝えやすいこともあると思いますし、受け取った方も印象に残るのではないかと考えました」（上田さん）

   使い方はシンプルな3ステップ。（1）メッセージと、贈る相手の名前・関係（家族、友達、恋人、仕事・その他、自分から選択）を書く（2）「絵馬を送る・シェアする」を押す（3）生成された「デジタル絵馬」のURLか画像をコピーし相手に送信する。

   「実際にサイトを見ていただければ分かりますが、『デジタル絵馬』はほんの1～2分で作れます。相手との関係は5つから選択していただく形にしましたが、どれを選ぶかによって出来上がる『デジタル絵馬』の背景デザインが変わります。そこも楽しんでいただけるポイントです」（同）

実際に愛宕神社に奉納する

   身近な人の新たな挑戦を応援したい時、また自分を鼓舞したい時に、まさに神社で書く絵馬と同じ感覚で使える。3～4月は就職や進学などを迎える人も多いが、利用シーンはこの時期に限らないという。

   「春は環境が変わる方が多いですが、それ以外でも、たとえば夏に部活で大きな大会に挑む学生や、時期を問わず大事なプレゼンを任された社会人など、挑戦のタイミングは人それぞれです。年間通じて、『あの人を応援したい』『自分を鼓舞したい』と思った時にご利用いただければと思います」（同）

   絵馬という形式をとるのは見た目だけではない。東京・港区の愛宕山頂にある愛宕神社の協力を仰ぎ、作成したデジタル絵馬を実際に奉納する。また、実際に愛宕神社に奉納し、オリジナルの水引を付けた「サクセス リンスのいらない薬用シャンプー」を希望者1万人にプレゼントするキャンペーンも4月14日まで展開する。「例えば、お母さんが息子さんのためにキャンペーンに応募し、このシャンプーを渡してもらうと、少し思いがこもったプレゼントとして受け取ってもらえるのではないかなと考えています」と上田さんは言う。

   愛宕神社を選んだのは、山頂に続く階段が江戸時代の故事にちなんで「出世の石段＝サクセス・ステップ」と言われ、縁起が良いため。成功を祈願したい人の気持ちに寄り添おうとしたこだわりの表れだ。

「毎年春に思い出していただけるような存在に」

   「サクセス祈願サイト」は誰でも使えるが、「サクセス」自体は男性向けブランド。「男性同士でもメッセージを送りやすいようにと考えて作った部分はあります。手軽なので、真面目な祈願に限らず冗談半分で送っていただいてもいいと思います」と話す上田さんは、自身も父親に宛てて送ったのだという。

   今後、「サクセス祈願サイト」をどんな存在にしたいか。上田さんはこんな思いを明かしてくれた。

   「『サクセス祈願サイト』は大切な人を応援したい人のためのサイトです。環境の変化が大きい新生活の時期がスタートのタイミングとして良いと思い、この3月に開始しました。『サクセス』はこれまで商品の機能面を発信することが多かったですが、今後はブランドの考え方にご共感いただくことが大事だと考えています。一人一人の『成功』を願う気持ちに寄り添っていけるブランドになりたいです」