2019年 10月 24日 (木)

「過去最高益」なのに株価下落 村田製作所に「売られすぎ」の指摘も

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   電子部品大手、村田製作所の株価が大型連休以降、苦戦を続けている。

   米中貿易摩擦などによって株式市場が全体として下げ相場にあるが、日経平均の下落率をはるかに上回っている。連休直前に発表した2020年3月期の業績予想への失望売りに中国経済への懸念が重なった格好だ。

  • 村田製作所本社(J oさん撮影、Wikimedia Commonsより)
    村田製作所本社(J oさん撮影、Wikimedia Commonsより)

「MLCC」のおかげで好調だったが...

   それでは「10連休」前日の4月26日に村田製作所が発表し、市場を揺るがせた2020年3月期の業績予想を確認してみるが、その前に業績予想と同時に発表した2019年3月期連結決算を見ておこう。これは文句なしの好決算だったのだ。売上高が前期比14.8%増の1兆5750億円、営業利益が63.4%増の2668億円、純利益が41.6%増の2069億円。純利益は過去最高を更新し、堂々たる増収増益だった。

   好決算のキーワードは「MLCC」。「積層セラミックコンデンサー」の略語で、村田製作所のものが世界で支持されている。スマホにも使われるが、最近では自動運転・電動化に向けて技術革新が進む自動車向けに欠かせないデバイスで、「高級スマホのMLCC搭載数が約1000個であるのに対し、自動運転システムを搭載する自動車は3000~8000個に達する」との報道もある。技術的に優位を保つ村田製作所は投資負担などを転嫁するため年明け以降、2~3割の値上げを顧客に要請し、おおむね受け入れられたという。

   電子部品各社は2018年末以降、スマホ向けデバイスについて米アップルの失速や中国需要減速などにより、出荷量が当初計画から大幅に下ぶれし、業績の下方修正を余儀なくされてきた。村田製作所も売り上げの大半がスマホ向けで逆風下にはあるが、需要が伸びる上に高価格に安定する車載向けMLCCを持つことから、従来予想を維持し、最高益も更新したのだった。

業績予想が「かなり保守的」と驚き走る

   こうした村田製作所の2019年3月期の奮闘を知る株式市場にとっては、最高益も当然のことでしかない。そうした中で、「かなり保守的な計画」(SMBC日興証券)である2020年3月期の業績予想に驚いたのだった。業績予想は売上高が前期比0.3%増の1兆5800億円、営業利益が17.5%減の2200億円、純利益が17.8%減の1700億円と2桁減益を見込んだ。ハイエンド(高価格帯)スマホの生産調整などの影響で通信向けデバイスの出荷が減ると予想した。営業利益は市場予測平均(3267億円)を大きく下回っており、失望売りを呼んだのだった。

   連休明け5月7日の株式市場で村田製作所の株価は一時、前営業日終値比15.1%(900円)安の5060円まで下落、終値も13.2%(787円)安の5173円と戻りが鈍かった。連休明け以降、野村証券、JPモルガン証券、東海東京証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などが相次いで目標株価を引き下げ、JPモルガンは投資判断の格下げにも踏み切った。そうした影響もあって株価は下落傾向で、13日の終値は4975円と連休前比16.5%(985円)安にとどまる。同じ期間に日経平均は4.8%(1067円)安で、村田製作所が激しく売られたことを示している。

   ただ、「あくまで会社の計画に過ぎず売られ過ぎ」(外資系証券)との声も出始めており、その会社計画も「車載向け(前期比19%増収の計画)にけん引されるMLCCは8%増収を見込むなど弱気一辺倒ではない」(野村証券)との見方もある。一時は5000円を割った株価も、15日には前日比2.0%増の5121円となった。

   しかし一方で、「米中貿易摩擦は深刻度が増しており、中国への出荷が多い村田製作所には痛手」との見方も根強い。反転上昇へのハードルは低くなさそうだ。

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