2019年 10月 16日 (水)

新社会人「『失敗したこと』を責めるのはやめてほしい」 上司への不満描いた話題の漫画、専門家はどう見る?

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「『失敗したこと』を責めるのはやめてほしい」

   上司の「怒り方」に論点をおいた(漫画)が2019年5月27日にツイッター上で投稿され、様々な意見が交わされている。

   描いたのは、新卒として会社で働きながら、漫画を執筆している、ゆきほり(@yuki0hori)さん。投稿に対するリツイートは100000以上。いいねは170000を超えている。J-CASTニュースは専門家にこの漫画から読み取れる、社会人の「上司(部下)との向き合い方」を分析してもらった。

  • ゆきほり(@yuki0hori)さんの漫画(1)
    ゆきほり(@yuki0hori)さんの漫画(1)
  • ゆきほり(@yuki0hori)さんの漫画(2)
    ゆきほり(@yuki0hori)さんの漫画(2)
  • ゆきほり(@yuki0hori)さんの漫画(3)
    ゆきほり(@yuki0hori)さんの漫画(3)
  • ゆきほり(@yuki0hori)さんの漫画(4)
    ゆきほり(@yuki0hori)さんの漫画(4)

うっかり写真撮影を忘れて帰ってしまい...

   「新社会人は仕事ができない」というセリフから始まる漫画は、作者の経験をベースに描かれている。

   昨日まで大学生だった彼はデスクに向かい、目をぐるぐる回しながら仕事に追われている。働き始めたばかりの彼。たくさん失敗してたくさん怒られる。そんな彼は自分に非があることはわかっているが「『失敗したこと』を責めるのはやめてほしい」と思い悩む。「寝坊」「物忘れ」など、失敗するたびに責め続ける上司に対し「『起きてしまった事実や過去』は変えられないのだから責めても何も進まないと思うのですよ」と困り顔。

   そしてある日のこと。上司からの「現場の写真を撮ってきて」という依頼を忘れたまま帰宅してしまう。忘れたことを報告したら怒り狂って「忘れるなよ!」と連呼...。

   そしてコマが暗転し、彼は目を点にさせながら「そんなこと言っても忘れたもんはしょうがないじゃん」「あんたは今まで忘れ物したこと一度もないんか?偉いなあすごいなあって心の中でずっとバカにしてました」とあきれ顔。上司に対し、責め続けるのではなくて「次に同じ失敗をしないための指導」をしてほしいと思いながら漫画は終わる。

   漫画を掲載したツイートには、「【やめてほしい怒り方】新社会人はこんな怒り方されたら無視して良い」という言葉が添えられている。

   「ゆきほり」さんは自らの経験をもとにこの漫画を執筆。

   「(上司の理不尽さに対して)同じように苦しんでいる人に『あなたは悪くない』と感じてほしかった」とJ-CASTニュースに29日、執筆理由を明かした。

「もちろん社会に出れば理不尽なことはたくさんありますが、それを全て受け止めてかかえこんでしまっては精神共にボロボロになり、挙げ句の果てには『死』という最悪の結末を考えてしまう...そんな辛い思いをしている人のはけ口といいますか、腹が立つ時は感情をぶつけていいんじゃないだろうか。私が『辛い思いをしている人』の代弁者として漫画を描きました」

「忘れるなよ!」と怒り狂う上司の対応の是非

   漫画内には上司が「忘れるなよ!」と連呼するシーンがある。キャリアカウンセラーの小野勝弘さんは、J-CASTニュース編集部の取材に対し、

「これは良い対応とは言えないでしょう。なぜなら、連呼するということが適切な指導に当たるかは疑問が残るからです。そして、感情をただぶつけているようにも感じられます。作者もおっしゃっているように、新人は指導する必要があるのであって、感情をぶつける対象ではありません」

とし、適切な対応は、

「まず、何があったの?と、新人さんの起きたことに対して感じていることを聞きましょう。悪いと思っているが、謝るタイミングを見逃してしたり、報連相を行なっていたと誤解していたりと、失敗以外の部分で躓きがあるかもしれません」

とアドバイス。

   次に起きた事実をお互い確認することが良いという。

「忘れたとか、寝坊したとかに留まらず、忘れたことで何が起きたのかにまで共有できれば良いでしょう。例えば、忘れたことで先方との商談時間が短くなったなど。そして、新人さん本人が対策を考えられるように支援することが大切です。指導の目的は、指導される側が適切な業務遂行をできるようにすることですから、本人ができる対策を共に考えましょう」

部下の側も「上司の好意に甘んじることなく...」

   一方でこの漫画に対し、「怒られて当然」「共感できない」などといったリプライも多く寄せられている。主人公である部下の側にも、問題があるのではないかという議論だ。

   小野さんも部下の対応も「改善の余地」があるとする。

「部下として上司に意見できない気持ちはわかります。会社の上下関係の中で、怒っているように感じる上司に意見するのは事実上難しいかもしれません。ただ、思うだけでは伝わりません。同じ失敗をしないように指導が欲しいというところから、成長はしたいと思っていらっしゃるようです」
「また、今回のことが失敗であったと自覚をしている新人さんですから、いち早く上司と共有できていれば違ったのかもしれません。失敗したと思ったならば、先に謝罪と今後の対策のアドバイスをいただきにいくなどでしょうか」
「普段から確認を多く挟んでみたり、苦手なことに対してアドバイスを求めてみたり、新人として今の状態を開示していくことも大切です」

とアドバイスしている。心の中で「怒り方」に不満を募らせるだけでなく、自らアクションを起こすことも大切というわけだ。

   小野さんは上司と部下が円滑なコミュニケーションを図っていくためには、「普段から報連相などを通して適切な業務指示と確認をしていく」などして、信頼関係を普段から作る必要性があるという。たとえば今回の漫画のようなケースであれば、「写真を撮るという指示であれば、いつまでに何枚必要で、誰が見るものなのかなど詳細に確認するのです。そうすることで、仕事を任せられる安心感や信頼感が生まれてきます」という。

「新人さんのミスが、先輩や上司に比べて多いのは経験の違いから仕方ない面もあります。しかし、新人だから仕方ないとか、こんなこともできない新人なのかとお互いが自分ばかり正当化していてはチームが成り立ちません」
「まず上司の方が新人に寄り添ってあげて欲しいと思います。直属の上司は、業務をおしえるだけでなく、新人のメンタル面でも心強い味方であって欲しいと思います」
「新人も上司の好意に甘んじることなく、頼ることと自分から行えることを意識しながら業務に臨んでくださいね」

と両者にアドバイスした。

  

(J-CASTニュース編集部 井上祐亮)

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