2024年 4月 21日 (日)

「元事務次官の愚息」「愚母を殺したい」 死亡の長男「同姓同名ツイッター」から透ける人物像

   元農林水産省事務次官の熊沢英昭容疑者(76)に刺されて死亡したその長男(44)は、同姓同名を名乗るアカウントがインターネット上に存在し、盛んに更新もされていたことから、人物像をめぐる憶測が飛び交っている。

   父や母についての言及も複数あり、報じられている熊沢容疑者の供述内容との関係性を見出せるような書き込みも見つかる。

  • 熊沢容疑者長男と同姓同名のツイッターが注目されている(画像はイメージ)
    熊沢容疑者長男と同姓同名のツイッターが注目されている(画像はイメージ)
  • 熊沢容疑者長男と同姓同名のツイッターが注目されている(画像はイメージ)

「もし、私が父親を通じて、役所を動かしたら...」

   東京都練馬区の自宅で犯行に及び、自ら警察に通報し逮捕されたという熊沢容疑者。元事務次官というエリートが我が子を手にかけた特異な事件は、発生した2019年6月1日以降、新情報が出るたびに注目が集まっている。

   死亡した長男と同姓同名を名乗るツイッターアカウントは特にクローズアップされた。両親について「勝手に親の都合で産んだ」などと反発的な投稿をすることもあった。ただ、「父」と「母」に対する言及を個別に見ると、扱いに大きな違いが見える。

   他ユーザーとのDM(ダイレクトメッセージ)のスクリーンショット画像が事件前から出回っている。「BSE問題で話題になった熊澤英昭元事務次官の愚息であります」とはっきり名乗っており、「1975年」生まれと年齢も一致。没頭していたと見られるオンラインゲーム「ドラゴンクエスト10」に関し、「もし、私が父親を通じて、役所を動かしたら(中略)ドラクエ10のサービスを強制終了される可能性もあります」などと嘯(うそぶ)いていた。

   ツイートでは「庶民が、私の父と直接会話なんて、1億年早いわヴォケ!!!!w 立場を弁えろ!!! 私は、お前ら庶民とは、生まれた時から人生が違うのさw」と、その威を借りて他者をあざける際に「父」が登場することが多い。オンラインゲーム上でつながる「フレンド」の誘いをするにあたり、女性とみられるユーザーに一度断られるも、「元事務次官の愚息であります」として食い下がろうとするやり取りのスクリーンショット画像も拡散された。

「中2の時、初めて愚母を殴り倒した」

   他に「私も父から、悪に勝つ方法がある、と聞いた時、流石と思った。かつて、現実世界の炎上を静かにした経験あるからな」(4月27日)とも。熊沢容疑者が上記にもあるBSE問題(いわゆる狂牛病)で引責辞任したことと、重ならなくもない。

   一方「母」に対しては、「父」へのものにはあまり見られない暴言が数多い。「愚母はエルガイムMK-II(編注:ロボットアニメ「重戦機エルガイム」に登場する兵器)を壊した大罪人だ」(17年6月1日)、「愚母を殺したい」(17年1月21日)、「中2の時、初めて愚母を殴り倒した時の快感は今でも覚えている」(17年3月29日)、など、「愚母」呼ばわりして侮蔑している。

   熊沢容疑者は長男について「家庭内暴力があった」旨を供述していると19年6月3日までに報道された。対象は「妻」にも及ぶこと、時期は長男が「中学生」のころからあったという。中学生といえば一般的に親への反感を抱きやすい年頃ではあるが、上記の暴力をほのめかす投稿と一致する部分でもある。

「元社会復帰指導員 兼 パン職人」との職歴も

   このユーザーがオンラインゲーム上で名乗っていたとされるハンドルネームの自己紹介サイトがある。長男は「無職」で「引きこもりがち」だったという暮らしぶりが報じられている一方、同サイトのプロフィールには「大学院修士課程卒業」「元社会復帰指導員 兼 パン職人」など職歴の記載がある。同サイトからアクセスできるブログでは、14年8月6日時点で「今日も管理人室でドラクエXプレイしながら仕事してました」と職に就いていたことを示唆している。

   自己紹介サイトの経歴にはアニメーター育成スクール卒業との記述もあり、趣味は「絵を描くこと」。「機動戦士ガンダム」シリーズを好み、オリジナルのメカやキャラクターのイラストを精力的に描いてはアップしていた一面もある。

   ゲーム、アニメ、イラストなど趣味に没頭する一方、ネット上では上記のように親やネットユーザー、さらにはそれら以外にも矛先を向けることがあった。上記のツイッターでは「○○○に人権は無い!」(編注:原文は韓国人への蔑称、編集部で伏字。14年9月29日)、「金が欲しいだけなんだろ? えぇ? ○○○共め!」(同、15年6月22日)など定期的に差別的、攻撃的な投稿をしていたのが確認できる。

   近所の小学校で行われていた運動会の音が「うるさい」という長男を熊澤容疑者が注意したところ、口論になったことがきっかけで起きたとされる事件。同容疑者は、川崎市登戸で5月に起きた児童殺傷事件が頭に浮かび、第三者に危害が加わることを危惧して犯行に及んだ、と供述しているという。

   長男と同姓同名のツイッターは「私のやらかしの後始末は父親がしてくれます。。。」(18年12月29日)と投稿していた。この時すでに43歳。息子は、親とどんな関係を築き、暮らしてきたのか。

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