2019年 9月 21日 (土)

井岡一翔の「誠実さ」と「覚悟」 日本人初4階級制覇の原動力

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勝負を分けた高い防御技術とボディー打ち

   この日のリングで際立ったのは、打たせない技術だろう。序盤こそ、パリクテのアッパーでアゴが上がるシーンが見られたが、回を重ねるうちにこのアッパーを見切り、左右のフックも頭を低く構えてことごとく空を切らせた。たとえガードの上からといっても、重いパンチが当たれば後々効いてくる。井岡が一歩踏み出すことが出来た大きな要因が、このハイレベルの防御技術にあったといえるだろう。

   そして、もうひとつ勝因を挙げるとすればボディー打ちだろう。脇の甘いパリクテのボディーを井岡は序盤から積極的に叩いた。一見、即効性がないようにも見えるボディー攻撃は、中盤から終盤にかけジワリジワリとスタミナを奪っていく。空振りを繰り返し、精神的な疲労に加え、序盤のボディー攻撃がパリクテのスタミナを奪い、ガードを下げさせた。そして10回、ガードが下がったところに的確なパンチを叩き込んだ。井岡にとっては理想通りの展開となったに違いない。

   この2年近くで井岡の生活環境は大きく変わった。一度は日本のリングと決別し、海を渡って可能性を求めた。私生活では昨年11月には離婚を経験。そして近く、新たな家庭を持つという。ボクシングスタイルそのものに大きな変化は見られなかったが、この日のリングには、これまでファンが歯がゆさを感じていたものがなかったように見えた。

   試合後、打ち合いのシーンを思い返した井岡は「覚悟」という言葉を口にした。元世界王者を叔父に持ち、トップアマを経て父が経営するジムからプロデビューしたサラブレッド。周囲の期待通り輝かしい戦績で世界3階級制覇を成し遂げたが、そこにはいつも何かが足りなかったように思える。日本のボクシングファンを熱狂させた10回の攻撃の中で、井岡はその答えを見つけたのかもしれない。

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