2024年 4月 24日 (水)

公的な「スクハラ相談窓口」は、なぜ必要か 教員の暴言に傷ついた19歳が、署名活動に立ち上がるまで

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内田良氏「学校現場では、大人側の権威は守られている」

   『学校ハラスメント 暴力・セクハラ・部活動―なぜ教育は『行き過ぎる』か』(朝日新書)などの著者として知られる、名古屋大学大学院教育発達科学研究科の内田良准教授は16日、J-CASTニュースの取材に、次のように話した。

「いじめは道徳の教材でも扱われうる。他方、教科書やコミュニケーションの場でいじめのことは扱われても、先生が子どもに暴力をするとか、ハラスメントすることは学校現場でほとんど扱われていない。ニュースにはなっているからいじめ・ハラスメントも問題視されていると思いがちだが、学校現場では大人側の権威は守られているのが今回の大事なポイント。大人の側も当然ながら体罰やハラスメント、セクシャルハラスメントを含めて、子どもに危害を与えることもある。その相談窓口は必要でしょうという訴え。今まで学校教育では想定されにくい事態だっただけに、非常に意義のある活動かなと思います」

   そのうえで内田准教授は、学校の中に相談窓口を設ける難しさを指摘し、第三者としての窓口設置の意義をこう説明する。

「テストの点数が高ければいい時代は昔で、いまは子どもの態度や関心など目に見えにくいとこも評価されますので、先生のさじ加減っていうのは子どもたちに利いてしまう状況。先生になかなか歯向かえない条件下に子どもたちは置かれている。なかなか学校の中にハラスメント対策の窓口を作っても、子どもとしては非常に相談しにくい。学校の外だからこそ相談しやすいし、第三者としての客観的な判断によって事案を取り扱ってくれる」

(J-CASTニュース編集部 田中美知生)

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