2019年 8月 21日 (水)

「金メダルを噛む」ポーズ、日本人第1号は誰? 当時を知る人に聞くと...

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   2020年東京五輪大会組織委員会は2019年7月24日、東京五輪のメダルのデザインを発表した。東京五輪1年前式典の中で金、銀、銅の3種類のメダルが初披露された。金メダルの本体の重さは約556グラム、銀メダルは約550グラムで夏季五輪大会最重量となる。銅メダルは約450グラムとなり、来年5月にそれぞれのメダルの製造が完了するという。

   1964年以来56年ぶり2度目の自国開催となる東京五輪。日本オリンピック委員会(JOC)は東京五輪での金メダル獲得目標を史上最多の30個に設定している。自国開催ということで否が応でも国民の期待は膨れ上がる一方だ。日本代表選手のメダル獲得を予想するのも大きな楽しみのひとつ。来年開催される東京五輪が待ち遠しい方も多いだろう。

   近年、五輪の表彰式において金メダリストがメダルを噛んだり、噛むような仕草が多く見られ、もはや五輪の定番となっている。栄誉あるメダルを「噛む」という行為に関して日本国内で様々な声が上がっており意見が分かれるところだが、そもそもなぜ金メダリストはメダルを噛むポーズをとるのだろうか。J-CASTニュース編集部は、その起源と理由を調べてみた。

  • シドニー五輪で金メダルに輝いた際の高橋尚子選手。メダルを噛む姿が多くの人の印象に残った(写真:AFP/アフロ)
    シドニー五輪で金メダルに輝いた際の高橋尚子選手。メダルを噛む姿が多くの人の印象に残った(写真:AFP/アフロ)

始まりとされるのはソウル五輪の競泳選手

   記者はスポーツ新聞時代、2000年シドニー五輪と2002年ソルトレイクシティ五輪を取材した経験を持つ。ソルトレイクシティ五輪では残念ながら日本代表選手の金メダル獲得はなかったが、シドニー五輪では日本代表選手が獲得した5つの金メダルの現場をすべて取材した。当時を思い返してみると、女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子さんが、表彰式でメダルを噛む仕草をみせた。ということは、少なくとも2000年にはすでにこの習慣が存在していたということになる。

   金メダルを噛むというこのポーズ、一体いつ、誰が最初に行ったのだろうか。起源については諸説ある中で、最も有力とされているのが1988年ソウル五輪だ。競泳男子200メートル自由形で優勝したオーストラリア代表のダンカン・ジョン・アームストロング選手が始まりだとされている。その理由に関しては正確なところは不明だが、一説には「金メダルが本物の金で出来ているか確かめようとした」という。

   当時の画像を確認すると、確かにアームストロング選手は金メダルをがっつり噛んでいる。これ以降、どのような理由で広まったかは分からないが、1992年バルセロナ五輪、1996年アトランタ五輪において、各国の金メダリストが表彰式で金メダルを噛んだりするような行為が見られるようになった。

日本人第一号はアトランタ五輪男子柔道の中村氏

   では、日本人の金メダリストで初めてメダルを噛むポーズをした選手は誰なのか。ネットなどで長らく第一号と「認識」されていたのが柔道で五輪3連覇を成し遂げた野村忠宏氏だ。1996年アトランタ五輪で初優勝した際、金メダルに噛みつく野村氏の仕草を記者もよく覚えている。だが、野村氏はこの噂を否定しており、このポーズをしたのは、ある先輩を真似たものだったと告白している。

   野村氏が真似た先輩とは...。それは同じ柔道代表の中村兼三氏だという。1996年アトランタ五輪代表の中村氏は、野村氏が金メダルを獲得する2日前に男子71キロ級で優勝している。当時の画像を確認すると、表彰式後、中村氏は確かに金メダルを噛むポーズをしている。野村氏の証言をもとに検証すると、日本人金メダリストで初めてメダルを噛むポーズをしたのは、中村氏ということになる。

   当時、スポーツ紙に掲載された中村氏の写真について関係者に話を聞いたところ、なぜ中村氏がメダルを噛むポーズをしたのか、その理由が判明した。それは現場のカメラマンが中村氏に要請したからだという。おそらく中村氏にはメダルを「噛む」という発想はなかっただろう。いずれにせよ、中村氏から始まったものが2日後に野村氏に受け継がれ、現在に至っているということになる。

   この4年後のシドニー五輪で悲願の金メダルを獲得した女子柔道の谷(旧姓・田村)亮子さんは、表彰式で金メダルにそっとキスをした。また、同大会で金メダルを獲得した男子柔道の井上康生氏は、亡き母の遺影を胸に抱えて表彰台に上がった。五輪のメダルは、そのメダルの色に限らず、獲得したアスリートそれぞれの思いがつまっている。東京五輪では、どのようなドラマが待っているのか。世界のスポーツの祭典まであと1年を切った。

(J-CASTニュース編集部 木村直樹)

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