2019年 10月 16日 (水)

サントリーは成功、キリンは失敗...
アサヒの「大型買収→豪州事業」の勝算は

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   アサヒグループホールディングス(GHD)が、オーストラリアのビール最大手「カールトン&ユナイテッドブリュワリーズ(CUB)」を160億豪ドル(約1兆2000億円)で買収する。

   アサヒの企業買収としては過去最大で、国内酒造大手ではサントリーHDによる米蒸留酒大手「ビーム(現ビームサントリー)」買収(約1兆6500億円)に次ぐ大型案件。国内ビール市場が高齢化や若者のビール離れで縮小する中、海外事業の拡大で収益基盤を強化する狙いだ。

  • アサヒが買収した豪CUB。現地では最大手
    アサヒが買収した豪CUB。現地では最大手

背景には売り主の「懐事情」

   カールトンの親会社であるビール世界最大手の「アンハイザー・ブッシュ(AB)インベブ」(ベルギー)と合意した。2020年3月末までに手続きを完了する予定。CUBは、「カールトン」などのブランドで知られ、豪州のビール市場で5割弱のシェアを握る。アサヒは高級ビールを軸とした海外展開の一環として、2019年2月に豪州でスーパードライの自社工場生産をスタートさせたばかり。今回、中価格帯ビールを中心に販売力のあるCUBを傘下に収めることで、スーパードライブランドを豪州で浸透させたい考えだ。

   アサヒGHDは2016年10月にABインベブから西欧のビール事業を2945億円で、2017年3月には同社の東欧のビール事業を8883億円で買収。2019年4月末には英国でパブやホテルを運営する「フラー・スミス&ターナー」の高級ビール事業を約370億円で買収するなど、高級ビールを中心に世界展開を加速している。

   このアサヒGHDの積極的なM&Aは、主にABインベブから買い取っていることでもわかるように、先方の「売りたい事情」に負うところが大きい。ABインベブは2004年にベルギーとブラジルの大手が合併して「インベブ」となり、「バドワイザー」で知られる米「アンハイザー・ブッシュ(AB)」を2008年に買収して現社名になった。そして、2016年に英SABミラーを買収するなど、大型M&Aで世界一に登りつめたが、その分、10兆円を上回る負債を抱えた。収益がもう一つ順調に伸びなかったことから、資産の一部を切り離す道を選んだ。

   ABインベブは今夏にアジア事業を香港市場に上場させ、最大1兆円程度の調達を目指していたが、市場環境の悪化などを理由に見送っており、これが今回の豪州事業売却につながったとみられている。アサヒGHDには有難い巡り合わせというところ。

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