2019年 11月 23日 (土)

続々消える「オウンドメディア」 人気記事もあるのに...閉鎖する理由は?

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   「みんなのごはん」「フミナーズ」「Rettyグルメニュース」――。企業のマーケティング手法として注目を集めた「オウンドメディア」が、今年に入り相次いで閉鎖している。

   いずれも多くのファンを抱えるサイトだけに、突然の幕切れに驚きの声が少なくない。J-CASTニュースは、専門家に背景を聞いた。

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    アサヒビールと日経BPの「カンパネラ」も更新終了に

連載がドラマ化されたメディアも

   オウンドメディアとは、メディア事業を主力としない企業が独自サイトを作り、記事などのコンテンツを発信する取り組みだ。自社の直接・間接的なPRに役立つなどとして、2014年ごろから続々と立ち上がった。

   『オウンドメディアのやさしい教科書。ブランド力・業績を向上させるための戦略・制作・改善メソッド』(エムディエヌコーポレーション)の著書を持つ徳井ちひろ氏は、オウンドメディアが脚光を浴びた理由を「自社のサービスに関する情報を一方的に配信するのではなく、ユーザーにとって有益な情報をコンテンツとして配信することで、ユーザーとのコミュニケーションを取り、購買意欲を育てていくことを得意とするため」と分析する。

   しかし、19年4月以降、「みんなのごはん」(13年2月~、ぐるなび運営)、「フミナーズ」(15年3月~、ねむログ)、「カンパネラ」(14年7月~、アサヒビールと日経BP)、「Rettyグルメニュース」(17年2月~、Retty)など、閉鎖や更新停止の発表が続いている。

   「みんなのごはん」は、オウンドメディアの草分けとして13年2月に開設された。食にまつわる話題を発信し、漫画家・峰なゆかさんの連載は、ドラマ『女くどき飯』(毎日放送)の題材となった。

   最も読まれた記事は、人気ライターのヨッピーさんが執筆した「【永久保存版】地元・大阪人が選ぶ『大阪で絶対に食べたい厳選たこ焼き8店』」だという。

   帝人グループのねむログが運営する睡眠情報メディア「フミナーズ」は、15年3月の開設後、約1000本の記事を配信。専門家への取材など信頼性の高さが人気を呼び、18年1月には650万ページビュー(PV)を記録した。

   19年2月に配信した「コナンに気軽に麻酔を打たれまくっている小五郎は大丈夫なの?麻酔科医の先生に聞いてみた」は、関連ワードがツイッターのトレンド入りするほど話題となった。

苦戦するのは「YMYL」関連サイト

   徳井氏は、サイトの閉鎖が相次ぐ背景に、グーグルが検索結果の表示順位を決めるアルゴリズムを変更したことが大きいとみる。

「つい最近も、グーグルのアップデートがあり、YMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれる健康、医療、お金、法律などユーザーの生活に関わるコンテンツの順位が大きく変動し、低品質だと判断されたコンテンツは順位を落としています。低品質だと判断されないよう、専門家の監修や公的機関のデータを使用した精度の高いコンテンツを提供していくとなると、工数もコストもかかるため、YMYL関連のオウンドメディアを運営できる企業も限られてくるでしょう」
「『広告の代わりに安価で露出できる』という観点でオウンドメディアを運営している場合、コストが見合わずに閉鎖せざるを得なくなるのかもしれません。また、競合が増えたことで、独自性をもたせることが難しくなってきたことも、オウンドメディアの閉鎖が増えているひとつの要因だと思います」
「閉鎖までいかずとも、『更新が止まって、完全に放置状態になっている』『一生懸命コンテンツを作っているのに、集客ができない』『集客はできているが、最終的なコンバージョン(成果)につながらない』など、オウンドメディアに対して課題を抱えている企業は非常に多いです」

成功するオウンドメディアの「条件」

   オウンドメディアブームは一巡した印象があるが、一方で新規参入も目立つ。

   今年に入り、「トヨタイムズ」(トヨタ自動車)、「Lidea」(ライオン)、「xTECHウェブサイト」(三菱地所)、「アオガクプラス」(青山学院大学)などが開設され、ピースオブケイクは3月13日、最短1週間でオウンドメディアを作れるサービス「note pro」を始めた。

「成功するオウンドメディアでは、まず『短期的な成果で考えない』『目的やゴールをしっかり持っている』『戦略に合わせたコンテンツ企画をしている』ということが挙げられます。なぜオウンドメディアを運営しているのか、という目標に合わせた戦略設計をし、ユーザーファーストのコンテンツを作る。そして、短期的な成果だけで判断せず、時間をかけてオウンドメディアを育てていくことが重要です」(徳井氏)

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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