2021年 8月 4日 (水)

苦境に陥るFB仮想通貨「リブラ」の論点

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「巨大通貨」誕生で何が起こるか

   なにより、地球の人口の約3分の1ともいわれるFBの利用者が、リブラを本格使用し、ドルなどの資金量を超えるような巨大通貨が突然登場する衝撃は計り知れない。銀行から預金が大量に下ろされてリブラに交換され、一国の経済規模さえ超える額の資金が特定の企業集団に集中すれば、金融システムを揺るがす懸念は強い。

   例えば、日銀の金融政策を考えてみよう。デフレ脱却のためとして、金利を低く抑えるために国債を大量に買い続けていて、いまや発行済み国債の半分を日銀が保有する。リブラが肥大化すれば、買える国債が枯渇するような事態も、ありえないとは言い切れない。

   金融政策で日銀がさらに金利を下げたいと国債を買っている時、何かのリブラの都合(例えば大量の情報漏えいでリブラの解約殺到)で、リブラ協会が日本国債を大量に手放すという、金融政策に逆行する行動に出て、日銀の政策に支障が生じることも考えられる――というように、リブラが金融政策の攪乱要因になり恐れは大いにある。国際通貨基金(IMF)は7月に発表した報告書で「結果として中央銀行の金融政策のコントロールは失われる可能性がある」と警告している。

   そこで、G7でも検討される規制だが、これも手探りだ。日本の場合、仮想通貨を規制する「資金決済法」では、法定通貨の裏付けがあるものは仮想通貨ではないと定義している。リブラは為替取引に近いとして、銀行業や資金決算業者として扱われる可能性があるとの声がある。

   法定通貨、国債などを裏付けとする点で、MMF(マネー・マーケット・ファンド)に近く、投資信託の一種の金融商品として取り扱われる可能性も指摘されている。

   こうしたリブラについて、大手紙も一斉に社説で取り上げている。

   「リブラの恩恵を生かす視点も重要だ」(日経7月20日)、「リブラの理念には共感できる部分もある」(東京7月29日)、「リブラの送金、決済サービスが実現すれば、従来の仮想通貨とは比較にならない広がりを持つ。技術を駆使して金融の利便性を高めるのは世界の潮流であり、恩恵は国境を超えよう」(産経6月26日「主張」)など、リブラの効用を評価しつつ、様々な懸念を列挙するのは共通。ただ、その「懸念の度合い」が微妙に異なる。

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