2019年 10月 18日 (金)

米中摩擦に揺れる川崎汽船株 8月末の売り、9月初の買い...今後は

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   海運大手3社の一角をしめる川崎汽船の株価が揺れている。2019年8月26日には約6年9カ月ぶりの安値をつけた一方、9月に入ってからは逆に急伸する場面も。

   米中貿易摩擦によって世界の荷動きが鈍るとの懸念が背景にあるとみられる。

  • 米中摩擦のあおりを受ける形に(イメージ)
    米中摩擦のあおりを受ける形に(イメージ)

追加関税の応酬が直撃

   8月下旬に市場を揺さぶったのは米中の追加関税の応酬だ。中国は23日、米国による対中追加関税への報復措置として原油・農産物など約750億ドル(約7兆9000億円)分の米国製品に5~10%分の追加関税をかけると発表。これを受けて米国は同日、2500億円ドル分の中国製品に課している制裁関税を10月、25%から30%に引き上げるとしたうえ、9月に予定する第4弾の追加関税を10%から15%に引き上げると発表した。

   日韓の貿易問題が小さく見える巨大国同士の報復合戦は世界経済への影響も計り知れず、収束の気配も見えないところが先行き不安を増幅している。金融市場は動揺し、「有事の円買い」によって週開け26日の円相場は一時、1ドル=104円台に上昇し、1月上旬以来、約7カ月半ぶりの高値をつけた。

   世界の貿易が停滞するとの見方から26日、海運を担う川崎汽船の株は売られ、一時前週末終値比5.5%(60円)安の1032円と、約6年9カ月ぶりの安値になった。川崎汽船は2020年3月期の為替レートを1ドル=108円67銭と設定している。1円の円高は約4億円の減益要因とされるだけに、荷動きの低迷不安とともに2020年3月期に経常利益で50億円を見込む業績への悪影響が懸念された。

業況は上向いているとの見方だが...

   海運業界は2019年3月期、不採算路線の整理やコンテナ船運航の大手3社統合という痛みを伴う荒療治を断行。大手3社中、日本郵船が445億円、川崎汽船が1111億円という巨額の最終赤字を計上した。しかし、2020年3月期に入って業況は上向いているというのが、最近の海運大手の状況だった。

   2018年4月に事業を始めた3社統合のコンテナ船運航会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」の最終損益は2019年4~6月期に四半期ベースで初めて黒字転換した。31%を出資し持ち分法適用会社とする川崎汽船としても朗報だ。各社の自動車船事業も復調しており、大手3社とも2019年4~6月期連結決算は最終黒字に転換。川崎汽船の最終損益は77億円の黒字(前年同期は192億円の赤字)だった。

   ただ、米中貿易摩擦は日を追うにつれ、エスカレートの一途をたどり、川崎汽船株の下落を促すこととなった。また、船舶の運航に使う燃料の新規制が2020年1月に始まることでこれまでより高くなる燃料費を荷主に転嫁しきれないリスクがあるとの見方も悪材料だ。

   こうした中、ばら積み船市況の総合的な値動きを示す「バルチック海運指数」が8月末に約8年10カ月ぶりの高水準をつけたとして、海運株が買われた。ホルムズ海峡の緊迫化によって保険料上積みが見込まれることや、米中間の関税が上がる前の駆け込み需要が背景にあるようだ。川崎汽船株も9月に入って伸びが続き、6日時点では1200円台半ばまで戻した。

   とはいえ、2月の年初来高値(1666円)はまだ遠い。米中摩擦に翻弄される日々は、まだ続きそうだ。

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