2024年 4月 24日 (水)

東京五輪を「命がけのレース」にしてはいけない 酷暑のドーハ世陸は棄権続出

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   カタールのドーハで開催されている陸上世界選手権の女子マラソンが世界的に波紋を広げている。女子マラソンは2019年9月27日、気温30度、湿度70%を超える悪条件のなか行われた。世界陸上史上最も過酷とされたレースは、出走68人のうち28人が途中棄権し、完走率は過去最低の58.8%を記録。レースを実行した国際陸上連盟に対して出場した選手をはじめ陸上関係者から批判が殺到しており、約1年後に控える2020年東京五輪マラソンに不安の声が上がっている。

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代表コーチ「こんな環境で二度と選手を走らせたくない」

   女子マラソンのスタート時のコンディションは、気温32.7度、湿度は73.3%だった。当初から想定されていたとはいえ、実際のレースで途中棄権する選手が続出した。棄権者は実に4割を超える世界陸上最悪のレースとなった。天満屋監督で、代表のコーチを務める武冨豊氏は「こんな環境で二度と選手を走らせたくない」と修羅場と化したレースを険しい表情で振り返った。

   過去、世界陸上で最低の完走率を記録したのは、1991年の東京大会男子マラソンだ。同大会では60選手がレースに出場し、4割に当たる24人が途中棄権し、完走率は60%だった。当日の気象条件は、午前6時のスタート時で気温はすでに26度を記録し、湿度は73%と高温多湿のレースとなった。25キロ付近では気温30度を超え、日本のエース格だった中山竹通氏(59)もまた途中棄権を余儀なくされた。

   今回の世界陸上女子マラソンの結果を受け、陸上関係者や陸上ファンの間から20年東京五輪男女マラソンに対する不安が広がっている。マラソンは女子が8月2日、男子は8月9日にともに午前6時スタートで行われる。ここ数年来、東京の夏は記録的な猛暑に見舞われ、湿度も高い。現在と比べて夏場の気温が平均的に低かった28年前でさえ、午前6時スタートで過去最低の完走率を記録しているだけに、来年のレースは想像を絶する過酷なレースとなるだろう。

再燃するスタート時間変更の声

   記者はこれまで陸上の世界選手権を3度取材した経験を持つ。なかでも印象的だったのは1999年のスペイン・セビリア大会だ。スペイン南部に位置するセビリアは、「スペインのフライパン」と呼ばれるほど暑さが厳しく、夏場では40度を超すことも珍しくない。当時、大会期間中の日中は40度を超す日々が続いたのを覚えている。ただ、湿度が日本よりも低い分、日陰に入ればだいぶ暑さが和らいだ。

   セビリア大会では暑さ対策として、男子マラソンのスタート時間を夕刻に設定。男子はスタート時、気温29度に対して湿度は43%と、東京大会に比べて湿度が低く、出走80人中、65人が完走した。午前スタートの女子は気温24度、湿度は63%と男子に比べて湿度がやや高かったが、途中棄権は9選手にとどまった。この大会では男子は佐藤信之氏が銅メダル、女子は市橋有里氏が銀メダルを獲得している。

   修羅場と化してしまったドーハ世界陸上の女子マラソン。20年東京五輪マラソンはもはや「対岸の火事」ではないはず。現行のまま8月初旬の東京で、午前6時スタートで果たしてレースが成立するのだろうか。五輪の晴れ舞台が「命がけのレース」となってはならない。選手ファーストのスケジュール変更を望む声は高まっている。

(J-CASTニュース編集部 木村直樹)

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