2019年 12月 6日 (金)

あいトリ、キュレーターらが吐露した「現場」の苦悩 津田氏は意義強調も...「目指していたことの反対に」

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   国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の会期末が10月14日に迫る中、10月5日から6日にかけて「『情の時代』における表現の自由と芸術」と題した国際フォーラムが開かれた。

   主な論点のひとつが、企画展「表現の不自由展・その後」の中止問題だ。この中止が「検閲」だとして、10人以上の作家が展示をボイコットしたり、抗議の意思を示す意味で展示内容を変更したりした。

   一方で、作家の一部は、展示再開を目指すプロジェクト「Re Freedom Aichi」をスタート。その取り組みの一環として、閉鎖されている展示室の扉には「私が経験した/している不自由」を書き込んだカードが大量に貼られているほか、「電凸」と呼ばれる苦情電話で県職員らが疲弊したことを背景に、出展作家が直接応対するコールセンターの設置も決まった。

   こういった状況を、芸術監督の津田大介氏は、あいちトリエンナーレそのものが「パフォーミングアーツの場所に変わっていっている」などと評した。一方、キュレーター(展示企画者)らからは、生々しい苦しみの声が漏れた。

  • ディスカッションではキュレーターからの発言も相次いだ
    ディスカッションではキュレーターからの発言も相次いだ
  • 「あいちトリエンナーレ2019」国際フォーラムで発言する芸術監督の津田大介氏
    「あいちトリエンナーレ2019」国際フォーラムで発言する芸術監督の津田大介氏
  • 企画展「表現の不自由展・その後」の展示スペース前の「私が経験した/している不自由」を書き込んだカードが大量に貼られている。展示再開を目指すプロジェクト「Re Freedom Aichi」の一環だ
    企画展「表現の不自由展・その後」の展示スペース前の「私が経験した/している不自由」を書き込んだカードが大量に貼られている。展示再開を目指すプロジェクト「Re Freedom Aichi」の一環だ

キュレーター「私も、演劇の一登場人物になってしまった」

   津田氏は10月6日の冒頭プレゼンテーションで、「情の時代」というコンセプトを改めて説明し、「不自由展」をめぐる事案について、

「通常、こういう国際映画祭はオープニングがあって、会期中は内容が変わることはほとんどない。そのまま(会期の)75日間続くというのが(一般的な)状況ではあるが、このような展示内容(の変更)や参加するアーティストが声明文を出し、その声明文が貼られていって、毎回来るたびに内容が変わっていく。ある種『生きたトリエンナーレ』になっている」
「通常は固定された現代芸術が、あいちトリエンナーレを舞台としたパフォーミングアーツの場所に変わっていっている。この『情の時代』というテーマに応答して、このトリエンナーレという舞台でどのように行動するかがアーティストひとりひとりに問われている、という稀有なトリエンナーレになっている」

などと述べた。

   キュレーターからも同様の声があがった。パフォーミングアーツ担当キュレーターの相馬千秋氏は、開幕直前の記者会見では

「どれだけ芸術祭というものをパフォーマティブにできるかチャレンジしたい」

と意気込んでいたが、今となっては、「結果的には、これ以上ないというぐらい、パフォーマティブな状況がこの芸術祭に生まれている」。担当している作家の一部がボイコットしたり、「Re Freedom Aichi」に参加したりしていることから、

「気が付けば、私もその渦中で、ひたすら『情の時代』という演劇の一登場人物になってしまった」

と振り返った。

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