2019年 12月 16日 (月)

Amazon購入品についてきたQRコードで、アカウントが乗っ取られる? 「詐欺疑惑」中国企業を直撃

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   インターネット通販「アマゾン」を通じて商品を買ったところ、購入品と無関係な「QRコード」を印刷したカードが封入されていた、との報告がネット上で複数あがり、拡散されている。ユーザーの間では「アクセスするとアカウントが乗っ取られる」と根拠不明ながら詐欺行為を疑う向きが広がったほか、外部の販売プロセスへの誘導を禁ずるアマゾンの規約に反するのではないかとの指摘もあがり、QRコードの「正体」をめぐって憶測が飛び交った。

   この商品を販売しQRコードを封入した中国企業はJ-CASTニュースの取材に、こうした詐欺疑惑を明確に否定。外部の販売プロセスに誘導するものでもないとした。アマゾンジャパンは「本件については認識しており、調査をしております」と答えている。

  • 届いた箱にQRコードが封入されていたとの報告が相次ぐ(画像はイメージ。記事の内容と無関係です)
    届いた箱にQRコードが封入されていたとの報告が相次ぐ(画像はイメージ。記事の内容と無関係です)

「おめでとうございます。受賞に当たりました」

   拡散されたのは、オレンジ色の手のひらサイズのカード。大きくQRコードが載せてあり、こう書かれている。

「おめでとうございます。受賞に当たりました。無料でアマゾンからギフト券と品質保証券を受取ることができます。
価値 1000円~5000円
こちらをスキャンしてください」(原文ママ)

   こうしたカードが届いた、という情報は、ネット上では2019年9月ごろから確認できる。ツイッター上ではQRコードが届いたという複数のユーザーが、

「Amazonで買い物したらダンボールにこれ入ってたけど調べたらやっぱり詐欺だった」
「全く同じ経験しました。発送もアマゾンです」
「自分も同じカードが入ってたからググッたら『アカウント乗っ取られた』ってあってやばいと思いAmazonカスタマーに電話」

などと声をあげた。中でもあるユーザーが10月4日に投稿したツイートは、9日までに5万回もリツイートされた。

   Q&Aサイトにも9月22日、上記と全く同じ文章が書かれたオレンジ色の紙がアマゾン購入商品に封入されていたと質問があり、自分にも届いたという回答者は「アマゾンのアカウントが乗っ取られた等の報告」が多く見受けられたとしている。

   こうした情報を見た他のユーザーからも「日本語おかしいですしね、十中八九詐欺関連ですよね」「日本語が不自然 メールアドレスが明らかにAmazonではない の2つで詐欺の可能性を疑えるけど、実際Amazonで買った商品に同梱されてるってだけでもしかして本物かも?って一瞬思わされてしまう」と詐欺を疑う声があがった。複数の個人ブログでも取り上げられ、「オレンジ色のカードでギフト券当たった詐欺?が巧妙」「詐欺です!くれぐれも注意してください!」など、詐欺行為であると断定調で書くところが出ている。

   一方ツイッターでは、「私の場合は1000円分のギフト券貰えましたよ」「普通に2000円分のアマゾンギフト券貰えました」と詐欺だとの論調を打ち消す向きもある。

販売業者「ご利用感謝三周年キャンペーンです」

   QRコードが書かれたカードの最下部にはメールアドレスが記載されている。そのドメイン「~@163.com」は中国で広く利用されているフリーメール。ネット上の報告を総合すると、中国の音響機器メーカー・ARKARTECH(アーカーテック)製の商品をアマゾンで購入した際に、同梱されていたものだという。同社は「ARKARTECH Direct」の名義でアマゾンに出品している。

   不明なサイトに誘導するようなQRコードを送付し、深い説明なく「おめでとうございます」としてギフト券プレゼントを提示するこの事案。迷惑メールなどに見られる詐欺の常套手段と共通する部分もあり、疑いの目が向けられたようだ。

   一体QRコードのカードの正体は何なのか。アーカーテックの担当者は8日、J-CASTニュースのメールでの取材に対し、

「大変恐れ入りますが、このカードは応援してくださった皆様への感謝を伝えるためだけのものであり、ご利用感謝三周年キャンペーンです。弊社が初めてこのようなイベントを開催しますので、説明不足でご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでした」
「このQRコードをスキャンすると、オンラインチャットサイトにアクセスします。 お客様が当選者かどうかを当社で確認していただくため、購入商品に添付させていただきました」(原文ママ。以下同)

と謝罪・説明する。

実際にアクセスしてみると...?

   「詐欺」「アカウント乗っ取り」という疑惑については、

「アカウントを乗っ取られるおそれはございません。このオンラインチャットサイトを通して、弊社のイベント担当のスタッフと連絡ができます」

と否定した。

   J-CASTニュースで実際にQRコードを読み取ってみると、「名前」「メールアドレス」「ID(任意)」の入力を求めるページに遷移した。オンラインチャットの利用にあたって必要だという。これらを入力し、「規約に同意する」と、「メールでアップデートや割引のお知らせを受け取ることに同意する。緊急時には販売者からメールで連絡する」の2項目にチェックすると、「会話をスタート」のボタンからログインできるようになる。タップしてみるとチャット画面に移動し、相手の名前は「Get Free Gifts」と表示された。

   ただ、購入客に対して十分な説明をしているかについては、

「このカードはお客様にご利用感謝ために、商品包装にランダムに発送しますので、お客様に対して事前な説明はしておりません。また、カードに『このキャンペーンはお客様に参加しないの権利があります』と記載しています」

とのことだった。この「キャンペーン」は同社独自で開催しているもので、アマゾンは関与していないという。

アマゾンジャパンも「Amazonが発行しているものではございません」

   アマゾンは規約で「出品者の禁止活動および行為」を定めており、「Amazon.co.jpの確立された販売プロセスを逸脱し、またはAmazon.co.jpの顧客やユーザーを別のウェブサイトもしくは販売プロセスに誘導することは一切禁止されています。具体的には、Amazon.co.jpの顧客やユーザーに対し、Amazon.co.jpウェブサイトを避けるよう誘導または促すいかなる広告、販売メッセージ(特価提供等)または実施要請も禁止されています」としている。ツイッター上では今回、この規約に照らして「サイトとして安全でも『Amazon以外のサイトへ誘導する行為』にあたるので、NGですね」との指摘もあがった。

   こうした禁止行為に当たる可能性について、アーカーテックの担当者は取材に、「このウェブサイトがお客様は弊社のスタッフに連絡のためだけに利用させていただきます。個人情報について、取得した住所、電話番号などの情報は、ギフトを発送のために利用させていただきます。お客様の個人情報をお客様の同意なしに業務委託先以外の第三者に開示提供することはありません(法令等により開示を求められた場合を除く)」とした上で、「販売プロセスに誘導ではありません」と上記の規約違反を否定している。

   アマゾンジャパンは取材に対し、このQRコードのカードについて「Amazonが発行しているものではございません」とやはりタッチしていないと答えた。先の規約などに抵触する可能性があるかについて質問すると、

「本件については認識しており、調査をしております」

とした上で、

「Amazonは違法行為を容認しておりません。お客様から不正について申告いただいた場合は、厳正に調査を行ったうえで、お客様や販売事業者様に対する不正行為には確固たる措置を講じています。また、Amazonは、不正行為を行った者がその責任を負うよう、法的機関との連携を強化しています」

と回答した。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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