2021年 8月 4日 (水)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
民主党支持者も拍手送る大統領「中国断交」発言

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2月には中国にマスク支援、大統領選で責任転嫁の指摘

   新型コロナはベトナム戦争以上の死者を出し、「9・11」や真珠湾よりひどい攻撃だと表現したトランプ大統領。11月の大統領選を目前に対コロナの戦場と化した米国の全責任を、中国に負わせたいようだ。

   今回、彼は本気だ。経済関係の断絶は影響が大きすぎる、と懸念する声も米国内にはある。

   だが、トランプ氏は数か月前まで、コロナに対する中国の対応を盛んに褒め称えていた。2月には大量のマスクなど医療物資を中国に送り、支援もしていた。

   また、中国に対してはトランプ氏より、与野党ともに議会の方が、強硬姿勢ともいわれる。

   今回のトランプ氏の発言に対して、「中国への怒りなんて、見せかけにすぎない。トランプもトランプ一家も、本当は中国がお気に入りだ。イヴァンカの商品は、今も中国で作られているんだろう?」、「米国がこんな惨事になったのは、トランプがコロナ対策に着手するのが遅すぎたからだ。責任転嫁するな」、「大統領選を前に、中国を敵に回して国民の支持を取りつけたいだけだ」といった声もある。

   ジョー・バイデン民主党大統領候補について、息子とともに中国での不正なビジネスで巨額の利益をあげた、とトランプ氏は追求してきた。

   バイデン候補は、トランプ氏の今回の対中国発言について、「今度はチャイナ・カードですか。ちょっと普通じゃない大統領ですね」と揶揄した。

   一方、トランプ氏は、「JOE BIDEN: CHINA'S PUPPET(ジョー・バイデン:中国の操り人形」と選挙キャンペーンを繰り広げている。

   「9・11」と真珠湾攻撃に共通して言えるのは、そのあと、米国は戦争に突入している。

   軍事攻撃は可能性が低いとしても、中国に対して何らかの報復に出るのか。製造を中国から東南アジアに移す、中国が保有する米国債を無効にする、などの経済措置に踏み切るのか。あるいは単なる脅しなのか。

   いずれにしても今、米国民が戦う敵は米国内にいる。

   感染者140万人、死者8万5千人というコロナとの国内の戦いに、トランプ氏がリーダーシップを取り、全力を尽くさなければならない。中国は、それからだ。(随時掲載)

++ 岡田光世プロフィール
おかだ・みつよ 作家・エッセイスト
東京都出身。青山学院大卒、ニューヨーク大学大学院修士号取得。日本の大手新聞社のアメリカ現地紙記者を経て、日本と米国を行き来しながら、米国市民の日常と哀歓を描いている。米中西部で暮らした経験もある。文春文庫のエッセイ「ニューヨークの魔法」シリーズは2007年の第1弾から累計40万部。2019年5月9日刊行のシリーズ第9弾「ニューヨークの魔法は終わらない」で、シリーズが完結。著書はほかに「アメリカの家族」「ニューヨーク日本人教育事情」(ともに岩波新書)などがある。

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