2024年 4月 25日 (木)

テラハ誹謗中傷は「対岸の火事」なのか 恋愛リアリティー番組「危険な演出」に識者警鐘

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炎上マーケティング的な側面

   鎮目氏は、ネットで議論が起こるように仕向ける演出もあるのではと指摘する。

「恋愛リアリティー番組はやればヒットするというので、いろいろなところで立ち上がってしまい、現在では番組の数が異常に多い。テラスハウスのような老舗でも今回(TOKYO 2019-2020シーズン)は不調だといわれてしまっていた。恋愛リアリティー番組同士で視聴者の奪い合いになっている。その中でほかより目立とうと思えば、プラスの反応だけでなくマイナスの反応も含めて話題性があったほうが埋没しない。炎上マーケティング的な側面が少しあったのかもしれない」

   今後、制作側にはどのような対応が求められるか。鎮目氏は「前提として恋愛リアリティー番組は、出演者の人格自体を面白がるというか、コンテンツにしてしまっているので、防ぎにくい側面があるのは事実。その人への評価が番組自体の面白い・面白くないに直結している」と番組の特性に触れたうえで、(1)個人SNSアカウントでの番組宣伝の禁止(2)過剰な演出の自粛(3)宣伝動画の見直し――の3点を挙げた。

「恋愛リアリティー番組は若い人をターゲットにしているので、実はどの番組も出演者を選ぶ段階でウェブ上での発信力が高い子を選んでいる。数字をとるために出演者のパワーを借りようとしているので、出演者に個人アカウントを使って宣伝させている。なので、いざ炎上したときに番組側が矢面に立ってあげられず、その子に非難が直撃してしまう」
「また、その子の性格を増幅させて煽ったり、悪者にする演出はやめたほうが良い。本来であればもっと普通の子たちがでてきて、ナチュラルな恋愛を見せていく。人はいろいろな側面があり、嫌な面ともとれるのも個性でもあるし、良い面でもある。一人一人を救いがあるように描いてあげるのが良い。『嫌な子』だと描かれたら救いがない。今回のテラスハウスは放送期間が長すぎた。1年もやっていたらネタも切れますし、そうなると細かいエピソードを大げさに描かざるを得ない」
「恋愛リアリティー番組では、ウェブ上の拡散を狙うために、短いスピンオフ動画を流している。予告もかねてこれまでのあらすじを出しているが、これのまとめ方が煽っている。本編をちゃんと見れば、その子のさまざまな部分が理解できるが、短いパートだけを見ると、『なんだこの人は』と思ってしまいやすい。こうした宣伝の仕方は、誹謗中傷を生みやすい土壌になる」
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