2024年 4月 27日 (土)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
シアトル占拠「自治区」 銃撃・黒人死亡で「お祭り」の終わり

デモのリーダー複数、住民の集団訴訟も

   猪股さんが現地入りしたのは、発砲事件が起きたあとということもあってか、ドラッグの影響か、道で叫んでいる人なども目立ち、想像していなかった光景も見られたという。

   リーダーの1人とみられるヒップポップの歌手ラズ・シモン氏は、「デモが批判を招いた」とし、「多くの平和的なデモ参加者に危害が及んでいる」とテレビ局の取材で答えている。

   24日、リーダーらは「自治区からすでに多くの人が去った」と話しているが、まだ残っている人もおり、一部では商店の破壊などが続いた。

   平和な抗議デモや「ブラック・ライブズ・マター」運動を支持する住民は多いものの、落書きで街が汚され、「今も破壊行為が続いているのに、市や警察が見て見ぬふりをし、市民を守ろうとしない」、「多くの人は礼儀正しいけれど、それでも脅威を感じる」と、怒りの声が上がった。

   自治区とその周辺の住民や商店の従業員らが24日、「占拠を許し、地域を見捨て、安全に暮らす権利を奪った」として、シアトル市を相手取って、集団訴訟を起こした。

   現地に取材に訪れたABCなどのリポーターは、「リーダーが複数いて、何が起きているのか、何を求めて残っているのか、よくわからない状況だ」と戸惑った様子だ。

   デモ参加者らは、「警察予算の半分以上の削減」、「逮捕されたデモ参加者全員の解放」などを主張しているとも伝えられている。(随時掲載)

(※6月27日追記:公開当初、猪股東吾さんの名前の一部と、引用したコメントの一部について誤りがありました。訂正してお詫びします)

++ 岡田光世プロフィール
おかだ・みつよ 作家・エッセイスト
東京都出身。青山学院大卒、ニューヨーク大学大学院修士号取得。日本の大手新聞社のアメリカ現地紙記者を経て、日本と米国を行き来しながら、米国市民の日常と哀歓を描いている。米中西部で暮らした経験もある。文春文庫のエッセイ「ニューヨークの魔法」シリーズは2007年の第1弾から累計40万部。2019年5月9日刊行のシリーズ第9弾「ニューヨークの魔法は終わらない」で、シリーズが完結。著書はほかに「アメリカの家族」「ニューヨーク日本人教育事情」(ともに岩波新書)などがある。

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