2024年 4月 25日 (木)

LCC、GoTo「東京除外」でどうなる? ピーチ社長、影響は限定的とみるが...

人気店や企業から非公開の招待状をもらおう!レポハピ会員登録

   政府の観光支援策「GoToトラベル」が2020年7月22日、東京都除外やキャンセル料補償など二転三転の末に始まった。大幅減便を迫られていた航空各社が、国内線の便数を徐々に増やす中での「見切り発車」だ。

   4連休を前に、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションは、この日から国内線の便数を「コロナ前」の水準に戻した。森健明(もり・たけあき)代表取締役CEOは、LCCの乗客はGoToトラベルの割引対象外の航空券単体の直接購入が多いことから、影響は限定的だとみている。だが、「『旅行をしよう』という気持ちに若干ネガティブな印象を与えたのはあるのだろうと思っている」とも話し、需要が落ち込むことへの警戒感もにじませた。

  • ピーチの森健明(もり・たけあき)代表取締役CEO(写真左)らが、この日運航を再開した便を見送った。15時過ぎに乗客63人を乗せて鹿児島に向けて出発した
    ピーチの森健明(もり・たけあき)代表取締役CEO(写真左)らが、この日運航を再開した便を見送った。15時過ぎに乗客63人を乗せて鹿児島に向けて出発した
  • ゲートでは、係員らが「旅先での感染予防の徹底を!」などと書かれたパネルを持って乗客を見送った
    ゲートでは、係員らが「旅先での感染予防の徹底を!」などと書かれたパネルを持って乗客を見送った
  • ピーチの森健明(もり・たけあき)代表取締役CEO(写真左)らが、この日運航を再開した便を見送った。15時過ぎに乗客63人を乗せて鹿児島に向けて出発した
  • ゲートでは、係員らが「旅先での感染予防の徹底を!」などと書かれたパネルを持って乗客を見送った

8月には夏休み需要見込んで増便も

   ピーチは都道府県間をまたぐ移動の自粛要請が緩和された6月19日に全路線での運航を再開。この時点ではコロナ前の5割程度の便数だったが、7月22日にはコロナ前の事業計画の便数(22路線、約100便)に戻した。夏休みの需要が期待できる8月1~31日には、さらに11路線で計552便を増便することになっている

   そんな中での感染者数増加とGoToトラベルをめぐる混乱だ。成田空港内で記者会見した森氏は、東京除外について

「ここ成田も首都圏マーケットという意味では、多少なりとも影響があるとみている」

とする一方で、「GoToトラベルの割引を直接(LCCの乗客が単体で買うことが多い)航空券が受けるわけではない」とも指摘。その上で、

「ただ、やはり、気持ちの中で、東京が除外されたというところが、『旅行をしよう』という気持ちに若干ネガティブな印象を与えたのはあるのだろうと思っているので、この7月22日以降の予約の伸びについては、少し注視をしているところだ」

と述べた。

「旅先での感染予防の徹底を!」のパネルで乗客を見送る

   さらに、GoToトラベルで旅行に向けた機運が高まることへの期待感を示す一方で、事態は流動的だとの見方も示した。

「GoToキャンペーンの一番大きな意味は、『旅行してもいいですよ』『旅行してください』というメッセージ。やはりこういうことは、足元の感染状況をすごく関連してくるので、最終的にはお客様がどう判断されるか、ということになると思う」

   実際、国内線でも需要が戻るには時間がかかりそうだ。この日運航を再開した便のひとつが鹿児島行きのMM557便で、森氏らが「旅先での感染予防の徹底を!」と書かれたパネルを持ってゲートから乗客を見送った。ただ、乗客は63人。ピーチが運航しているエアバスA320型機の定員は180人で、搭乗率は35.0%という厳しい状態だ。

   入国制限の緩和が見通せない国際線は、さらに厳しい状況だ。森氏は記者会見で、「10月以降の再開を目指して準備を進めている」ことを明らかにしたものの、気軽に海外との往来ができるようになるまでには「おそらく1年単位の時間が必要になる」とも。仮に再開できたとしても「就航地は段階的に増やすものの、運航規模は当初計画から大幅に減らす予定」とした。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中