2020年 9月 21日 (月)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
黒人男性銃撃、党派超えて共感呼んだ「母親の願い」

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   2020年8月26日、トランプ支持者の友人アンドリュー(70代)から、ある記事のリンクが送られてきた。その3日前、米中西部ウィスコンシン州ケノーシャで、黒人男性ジェイコブ・ブレイクさん(29)が警官に背後から何度も撃たれ、その後、その抗議デモの一部が暴徒化した。送られてきたのは、ブレイクさんの母親の発言について書かれた記事だった。その翌日、トランプ氏に強い反感を抱いている知人スージー(60代)が、「胸を打たれた」と私に話したのが、やはりこの母親の言葉だった。党派を超えて、多くのアメリカ人の共感を呼んだ彼女の言葉を、今回の連載で取り上げたい。

  • 25日、記者の取材に応じた被害者の母・ジャクソンさん(写真:ロイター/アフロ)
    25日、記者の取材に応じた被害者の母・ジャクソンさん(写真:ロイター/アフロ)
  • 25日、記者の取材に応じた被害者の母・ジャクソンさん(写真:ロイター/アフロ)

「私はあなたに対して、怒りはまったくありません」

   アンドリューは、ミネソタ州ミネアポリスに住む。ここは2020年5月、黒人男性ジョージ・フロイドさんが警官に首を押さえつけられて、死亡した街だ。平和的な抗議デモの一部がのちに暴徒化し、放火や略奪、建物破壊へと発展。アンドリューは、「この警官は厳しく裁かれるべき」としたうえで、「罪のない市民たちが被害を受け、自分たちの愛する街が滅茶苦茶にされた」と、私に怒りをぶつけていた。

   今回のウィスコンシン州ケノーシャの事件をきっかけに、ミネアポリスでは再び暴力的な抗議活動が起き、市は緊急事態宣言を出した。

   一方、スージーは、今回事件の起きたウィスコンシン州南東部に位置するケノーシャのすぐ近くの大都市ミルウォーキーに住んでいる。

   私は高校時代に一年間、ウィスコンシン州南西部にある人口2千人の小さな町に留学した。同州の西に隣接するのが、ミネソタ州だ。どちらの州も、市街地を少し離れれば、広々とした農場や大草原が広がり、のどかな印象が強かっただけに、大きなショックを受けている。

   アンドリューから届いたリンク先の記事は、ブレイクさんの母親ジュリア・ジャクソンさんが、CNNのドン・レモン氏のインタビューに応じたものだった。

   ジャクソンさんは、ケノーシャで暴力や暴動が起きたことに対して、「家族も私もとても心を痛めている。正直に言うと、嫌悪感を抱いています」と答えた。そして、「どうか、息子の名前のもとに放火や破壊をしないで」と訴えている。

   レモン氏に「政治家に何か言いたいことはありますか。大統領とか、候補者とか、トランプとかバイデンとか、そういう人たちに対して」と聞かれると、トランプ大統領だけについて次のように答えた。

「私はあなたに対して、怒りはまったくありません。この国の指導者として、私はあなたにこの上ない敬意を抱いています」

   トランプ大統領に対するジャクソンさんの反応は、民主党寄りのCNNが期待していたものではなかっただろう。

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