2020年 10月 22日 (木)

「一つの中国」支持声明のVTuber運営企業が謝罪 安全守るための「緊急措置」だったと説明

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   女性バーチャルユーチューバー(VTuber)グループ「ホロライブ」を手がけるカバー(東京都)は、所属するVTuberの問題をめぐって、中国の動画サイトで「一つの中国」を支持する声明を出したことに関して、「不用意に混乱を招く事態となりましたこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

   声明は中国現地の協力会社と「慎重に検討」して作成したもので、タレントや社員らの安全を守るための「緊急措置」だったとした。

  • 「一つの中国」支持声明のカバーが謝罪(画像はイメージ)
    「一つの中国」支持声明のカバーが謝罪(画像はイメージ)
  • 「一つの中国」支持声明のカバーが謝罪(画像はイメージ)

「常に中国の主権と領土の完全性を尊重」

   事の発端は、ホロライブ所属のVTuber「赤井はあと」と「桐生ココ」が2020年9月24日〜25日にかけて自身の配信内でYouTubeチャンネルのアナリティクスを参照に情報を開示したことによるもの。赤井さん、桐生さんは視聴者が多い海外の「国」を読み上げたが、その中にはいずれも「台湾」の名が含まれていた。

   これに対し、中国の動画サイト「bilibili (ビリビリ/哔哩哔哩)」で配信内容を知った中国在住のファンなどが、2人が台湾を独立した国とみなしたとして反発していた。

   カバーは27日、公式サイト上で2人の「機密情報である統計データの開示と2次利用」を問題視するとともに、「一部地域に在住の方に対する配慮に欠けた発言があったことを確認」したと報告。こうした問題が同社のガイドラインや契約内容に違反する行為であったとして、2人のタレント活動を3週間自粛することを発表した。

   一方で、カバーは同日に「ビリビリ」でも声明を発表。そこには、

「カバーは常に中国の主権と領土の完全性を尊重し、『日中共同宣言』と『日中平和友好条約』を尊重し、『一つの中国』という考えを支持します」(編集部訳)

   と中国語で書かれていた。

   こうして「一つの中国」を支持する声明を出したことに対し、日本のツイッター上では批判の声が集まっていた。

「一部の国や地域に対し、配慮に欠けた表現の趣旨を内包」

   そうした中、カバーは30日に「9月27日(日)に公表した公式声明における経緯説明と今後の弊社方針につきまして」と題した文書を公式サイト上で公開。今回の問題を受け、日本向けと中国向けで展開した声明について、内容に「齟齬があった」とし、「不用意に混乱を招く事態となりましたこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

   カバーは今回の事態に至った経緯についても説明している。まずは、タレント2人による行為・言動が発生した際に、VTuber事務所「ホロライブプロダクション」に所属するタレントへの誹謗中傷や、生命・身体を脅かすような書き込みが多量に発生したことから、当該発言の動画の配信停止と削除を実施。それでも状況は改善されず、社内基準により公式声明とタレントの処分発表を決定した。

   公式声明の作成にあたっては、中国現地の協力会社と「慎重に検討」した結果、タレントや社員らの安全と活動を守るため、「中国向けの声明に関しては、問題となった発言に対し強く言及する声明を出さなければ解決が難しい」という指摘を受けたという。

   こうした状況から、同社は「いち早い声明」が必要だとし、緊急措置として先の声明を発表。しかし、「結果的に一部の国や地域に対し、配慮に欠けた表現の趣旨を内包する公式声明を公表する形となってしまいました」とした上で、

「本件につきましては、国内外にご迷惑をおかけする問題であったと痛感しており、深く反省しております」

   とした。

谷郷社長は役員報酬の一部を自主返納

   カバーの発表によれば、ホロライブプロダクションは現在、世界中の国や地域で視聴されていることから、サービスを提供する国・地域の法律や慣例慣習、社会通念など「その時点で決定されている当該国の政府方針に基づきサービスを提供する」ことを原則としているという。

   そして、サービス提供国や地域によってポリシー、ガイドライン、コミュニケーションが異なるとし、今回の声明も「それぞれに合わせた伝え方や内容に配慮した」内容になったと説明。「公式内容に相違がある公式声明を発表してしまい、混乱を招いてしまったこと、改めて深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

   問題を受け、カバーは経営責任明確化のため9月29日に緊急経営会議を実施。谷郷元昭代表取締役社長への厳重注意処分と、再発防止のためのコンプライアンス委員会等の設置が決議された。また、谷郷社長は本事象を「重く受け止めている」とし、役員報酬の一部を自主返納するという。

   今後発表する声明については「各国の法律やその時点で決められている方針に基づいたものを前提として対応する」と説明。また、「いずれの立場に置いても公平を保った範囲で、表現や発言の自由を準拠する方針を明確な社内規定として制定し、ガイドラインをより強固なものとしていく」とした。

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