2020年 11月 25日 (水)

思い出の団地よ「ありがとう」 建て替えの東京・石神井公園団地で「お別れイベント」開催

解体重機が石神井公園団地の「給水塔」を取り壊し、元住人はオンラインでその様子を見守った
解体重機が石神井公園団地の「給水塔」を取り壊し、元住人はオンラインでその様子を見守った

   日本経済の高度成長期のころ、東京都内で最大規模の団地として人気を博した「石神井公園団地」。分譲から半世紀余りたち、建物の老朽化に伴い全面的に建て替えられる。 2020年10月27日、東京・練馬区にある同団地で、「お別れイベント」が開かれ、団地のシンボルだった高さ35メートルの給水塔の解体工事が行われた。建て替えによりすでに団地を退去した住人たちは、オンライン上でその様子を見守った。

住民の絆深めた「夏祭り」

   石神井公園団地は東京五輪後の1967年に竣工し、分譲住宅として売り出された。総戸数490戸は都内の団地として最大級で、都心への良好なアクセスから瞬く間に人気物件となった。団地最大の特徴は、意匠を凝らした設計だ。住棟をギザギザに配置する「雁行型」を採用し、単調なイメージが強い団地の空間にアクセントを生み出した。住棟と住棟の間には庭地や広場が設けられ、住民は四季折々の自然を楽しんだ。

1967年当時の団地の資料。モデルルームには多くの人が押し寄せた
1967年当時の団地の資料。モデルルームには多くの人が押し寄せた

   85年から行われてきた「夏祭り」は住民たちの心の拠り所だった。年1回の一大行事に向け、住民たちは出し物の準備や練習を重ねた。そのたびに、住民同士の絆が深まっていった。

「夏祭りで子供たちが駆け回っているわけですよ。同級生が群がって遊んでいる、その子たちが大人になって、またこの団地を買って戻ってくる」

   団地居住歴42年の若松倫夫さんは、夏祭りがもたらした「好循環」について、お別れイベントのトークセッションで感慨深げに振り返る。

夏祭りは団地の恒例行事となってきた
夏祭りは団地の恒例行事となってきた

   しかし、築年数が経つに連れ、水道設備などの老朽化などが顕著になっていった。エレベーターがついていない住棟は、高齢住民にとって生活上の大きな障壁だった。こうした中、10年ほど前から団地の建て替えに向けた機運が高まり、19年4月に団地の一括建て替えが決定。地上5階建てだった住棟は、最大で地上8階建てのマンションに生まれ変わる。20年9月からすでに解体工事が始まり、23年に竣工予定だ。

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