2020年 11月 25日 (水)

「だしパック煮すぎで食中毒か」に「勘弁して」 報道「独り歩き」をメーカー懸念 同様の事例も「聞いたことない」

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   東京都墨田区の保育園児28人が食中毒の症状を呈した原因は、給食に使われた「だしパック」を煮すぎたことにある――? そんな可能性が指摘され、インターネット上で注目を集めた。

   しかし東京都福祉保健局は「今までだしパックが原因で食中毒が起きたという事例はこちらで把握していません。(だしパックの煮すぎは)あくまで可能性の1つです」と強調している。あるだしメーカーの代表は「だしパックが原因の食中毒というのは聞いたことがない」と首をかしげ、困惑している。

  • だしパックの煮すぎが原因になった可能性が指摘された(写真はイメージです)
    だしパックの煮すぎが原因になった可能性が指摘された(写真はイメージです)
  • だしパックの煮すぎが原因になった可能性が指摘された(写真はイメージです)

「だしパック」からヒスタミンが抽出されたが...

   東京都福祉保健局は2020年11月16日、墨田区の保育園で11日に園児28人が、顔や腕に発疹を呈す食中毒を起こしたと発表。園で調理・提供され、園児たちが食べた給食の「きつねうどん」が原因と断定した。

   食中毒を引き起こす「ヒスタミン」の検査を実施したところ、検食(給食施設などで衛生検査用に保存される食品)のきつねうどん、きざみ揚げから100グラムあたり8ミリグラム、同20ミリグラムが、また残品の「だしパック」からは同5ミリグラム以下がそれぞれ検出された。墨田区は原因の給食施設に、6日間の営業停止処分を下している。

   ここまでが都の発表だが、16日に産経新聞がこの食中毒について報じるとネット上でも注目された。記事では「都によると、墨田区保健所は、きつねうどんのスープから検出された化学物質『ヒスタミン』が原因の食中毒と断定。給食の調理業者が、ヒスタミンが入っていた市販のだしパックをメーカーによって定められた調理法よりも長く煮て、抽出された可能性があるとみている」とし、だしパックのメーカーが煮る時間を10分としていたのに対し、給食調理業者は45分煮ていたとしている。

   「だしパックの煮すぎ」が食中毒の原因となった可能性があると指摘されたことで、ツイッターでは「普通にこわいんですけど」「出汁パック煮すぎで食中毒って恐いけど、時間以上煮てるときある」などと、だしパック自体を不安視する向きも。ただ、「煮すぎて食中毒って従来注意喚起とかあったんかな?」「何で出汁パックの煮過ぎで食中毒になるの?」「昔からずっと入れっぱなしでぶくぶく煮込んでるけど?」などと疑問の声も多かった。中には「だしパックへの風評被害にならないといいんだけど」と製造業者への影響を懸念する声もあった。

   厚生労働省のウェブサイトによると、ヒスタミン食中毒は、原因物質のヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に「魚類及びその加工品」を食べることで発症するアレルギー様の食中毒。「ヒスタミンは熱に安定であり、また調理加工工程で除去できないため、一度生成されると食中毒を防ぐことはできません」という。

   予防方法は「原材料(魚の場合には死んだ瞬間から)から最終製品の喫食までの一貫した温度管理」が重要で、具体的に「魚を購入した際は、常温に放置せず、速やかに冷蔵庫で保管するようにしましょう」などの注意が書かれている。「煮すぎ」に該当する注意は見当たらない。

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